ある日、地球に穴が開いちゃった…!
穴の中から現れたのは、なんと地球の裏側からやってきた遠い国の人たちだった!
…という、「んなあほな」と初っ端から笑いが止まらなくなる珍事から物語は始まります。
穴が開いたリトルフォレスト市の市長・ドンガガは、自分も地底へ潜って、地球の裏側へあいさつに行くことにします。
ドンガガと他の職員たちからなる、初めての地底探検がスタート!
そこで待っていたのは、マグマでも水晶でもなく、数多くの動物たちが繰り広げる楽しいイベントの数々。
テントウムシにスズムシ、ブタにフクロウに猿にウサギに…さらに、ドラゴンにエルフに巨人まで??
まだまだたくさん。書ききれません。本当に、たくさんの出会いがドンガガを待っているのです。
命の危険も何度かありましたが、人柄の良さでなんとか切り抜けていきます。
笑いもいっぱい、ドキドキハラハラもいっぱい。
ひとつひとつの出会いを大切にし、誰に対しても常に誠実に尽くすドンガガの姿がとても素敵です。
発想はどこまでも自由に。楽しむ心に限界はない。
そんなことを改めて感じさせてくれるお話です。
いい方向に突き抜けたアイディアが次から次へと飛び出す、作者の柔らかな思考には毎回驚かされてばかりです。
こんなに楽しい児童文学、子供たちも読まないともったいないですよ!
タグに児童向けとあるように、確かにこれは子供がよんで面白いと感じるような話です。ですが大人が読んでもいいんです。だって大人も、昔は子供だったのだから。
この話の主人公ドンガガさんは、そんな子供の頃の冒険心を大人になった今でも持っている人です。
彼が市長を務めるリトルフォレスト市に、ある日突然街に大きな穴が空き、地球の裏側にあるサンペリオから使者がやってきました。
姉妹都市として有効を結びたいと言う彼らですが、そこで終わらないのがドンガガさん。自分もその穴を通ってサンペリオに行きたいと言い出します。
そうして始まったのが、地底世界の大冒険。そこではムシが結婚式を挙げていたㇼ、ブタがレストランを開いていたりと、夢のような光景が広がっていました。
地底で生きる彼らも、地上に生きる我々と同じように様々な事情を抱えています。ドンガガさんはそんな彼らの話を聞いたり、仲良くなったり、時にはちょっとだけ失敗もしながら、旅を通じて様々な出会いと別れを繰り返していきます。その一つ一つが、かけがえの無い宝物のようにキラキラしていました。
まるで子供の頃大好きだった絵本を開いたような、そんな懐かしくて心温まるお話です。
リトルフォレストと言う町のど真ん中に空いた大きな穴。そしてそこから出てきたのはなんと地底人。話を聞くと彼らは地球の反対側、サンペリオのセントカルネラ市から穴を掘ってやって来たと言う。そしてその目的は、リトルフォレストとセントカルネラ、二つの都市を姉妹。都市とすることでした。
いきなり地底人が現れた事から始まるこの物語ですが、彼等は危険な人達ではなく、極めて友好的。この姉妹都市の話を聞いたリトルフォレストの市長、ドンガガさんは思い立ちます。「よし、その穴を通って、地球の反対側まで行ってみよう」
姉妹都市を結んだから挨拶に行く。それも勿論大きな目的ですけど、ドンガガさんの心を動かしたのは、地底人達の語る地下世界の様子。そこにはドワーフがいたり、ウサギやネズミといった動物達が生活してたりと、まさにファンタジーの世界。その様子を是非見てみたいと、ドンガガさんは数人の仲間と共に地下世界に旅立って行ったのです。
地下世界には様々な人達が住んでいます。テントウムシが結婚式を挙げていたり、ウサギがF1カーに乗ってレースを行っていたり。
まるで昔読んでいた絵本を思い出すようなドキドキワクワクな展開が目白押し。児童向けとありますが、大人が読んでも十分楽しめる市長さんの冒険譚です。
元市長のドンガガさんとその仲間たち(使節団一行)が、あんなことやこんなことを体験しながら、マントルも核も突っ切ってしまうお話。つまり舞台は、地球という惑星の内部です。ところが、そこには、地上と変わらない生活をしている様々な生き物が暮らしていて・・・。
くすっと微笑んだり、「あははっ。」と思わず声を漏らしてしまう、面白くて心温まるエピソードが詰まっています。時には、突飛なことを言いだすドンガガ元市長ですが、読み進めると、「なるほど!」という平和的な解決に至ります。
他の作品も拝読していたので、テンポよく楽しいのも然ることながら、作者様の〝らしさ〟が表れていて嬉しくなりました。そこからは、子供たちのためにという想いと工夫がたくさん伝わってきました。
小学生に届けたい、わくわくできる優しい冒険物語。いざ地球の裏側へ。