あいまいな未来、確かなものが掴めないまま、少女は一歩踏み出した──。

はみ出したくてはみ出してしまうわけじゃない。人混みに押し出されるように、淀みに流されてしまう気持ち。何処へ行きたいのかも分からない。

ただ、帰るために。自分に帰る為に一歩を踏み出した少女が何を見るのか。
自分が出した答えが正解でも、その自分さえも見えない中でさまよってしまう少女の表現に著者の文才が光ります。展開に期待です。