異常≒日常学園

トウチホウ

第1話 始めから異常

 三年前、俺の学校の校長がイかれた。

『校長先生の話は長い』という法則はどんな時代でも絶えることはなくほとんどの生徒……いや、教師交えた全員が苦しめられていた。聞き流すより他のことについて考える人が多いという説は、もはや常識になりつつある。

しかし。

その時の、俺が入学して初めての全校朝会の視聴率は人類史上最高だったかもしれない。


「今年は学校全体で能力開発を行います」


 ……は? イマナンテ? 全校生徒がそう思った。頭の整理がつかないまま校長先生は話を進める。

内容をまとめると、こう。

特別な時間割を受けて、能力の基礎を学ぶ。

一年位すると生徒全員が能力を一つ獲得できるまで成長するらしい(個人差あり)。

能力については外(学校以外)で使用したりしてはいけない、保護者にも秘密にするという校則まで作られた。


……と、ここまでが全校朝会で話された内容だ。

こんな馬鹿げた話だが三年たった今、校内でだんだんと常識化していっている。

このような超常現象が普遍化していることから、とある生徒はこの学校に新たな名前を与えた。


『異常≒日常学園』 と。


これから語られるのは俺のクラスである三年A組での異常な・・・・・・いや、日常的な生活風景である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異常≒日常学園 トウチホウ @tochi_ho

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る