第6話 クリスマス
「クリスマスまでバイトかよ」
「クリスマスにまで働いてたおっさんに言われたくないっすよ」
12月25日のコンビニ。
麻里はいつものようにコンビニで仕事をしていた。幸せそうなカップルに家族連れの親子。みんなが幸せそうな顔をしているクリスマスは生憎の雨だったがコンビニに来る人には関係ないようだった。
一人を除いては。
「最悪だよ。雨の予報なんて出てなかったから傘持ってなくてさ」
「私が見た天気予報では雨でしたけどね」
「でも、まぁ、水も滴る良い男って感じだろ」
「捨てられた野良犬って感じっす」
「例えが酷いな。あ、いつもの煙草と唐揚げで」
「いつもの唐揚げ弁当じゃないんすか?」
「クリスマスだし、贅沢しようと思ってな」
「せこい贅沢っすね」
「さっきから辛辣だな」
ビールに唐揚げに煙草とチー鱈を袋に詰める。
「…あの良かったらあと十分で仕事、終わるんで一緒に、帰ります?ほら傘持ってきてないって言うし……」
「あぁ…じゃあ、煙草でも吸って時間、潰してるわ」
「おけっす」
麻里は少し俯きかげんに袋を渡すと口元に手を当てて斎藤に早く行けと手で追っ払う。
斎藤がコンビニを出るのを確認して頬を緩める。
クリスマス、最高……
おっさんとわたし 真白世界 @shino69
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