魔術生物 VS 公務員〈勇者〉

 Loon……それは不可視のエネルギー源。
 それの発見に人類が歓喜したのもつかの間、それの恐るべき弊害により、人類は窮地に立たされることになった。
 Loonは生物に悪影響を与え、状況によっては異形に変質させてしまう。
 そうして生まれたと考えられる生命体、MEは人類の生存圏を脅かしていた。

 それの対応を行うお役所、特区管理局の局員、浅日宗一は地方特区のME駆除に派遣される。作業員のツナギのようなそれに加えて携えたのは、一振りの剣。
 相手は、ゴブリンの群れ。だが、その状況に彼は違和感を覚える。
 同時に、発見される女性の不審死の死体。
 得体の知れないゴブリンの動き、そして無数のゴブリン――。
 想像以上に根の深いMEの存在に、宗一は一時撤退。応援を要請すると共に、体勢を立て直し、事件の収拾を図る。
 だがその間にも、それはこの地区の存続を脅かす危機へと発展しつつあった。
 彼は、MEを駆除できるのか。

 疾走感と時折コメディ、緩急ついた物語の流れでさくさく読み進められる。
 個性的な仲間たちと窮地を切り抜けていく宗一もまた、個性的で少し鈍感で
憎めない性格をしている。
 公務員的な勇者が繰り広げる現代バトルファンタジー。

その他のおすすめレビュー

アレセイアさんの他のおすすめレビュー52