第4話 脱糞放尿殺人事件

ある密室でひとりの男の死体が発見された。


男の部屋には内側から鍵が掛かっており、窓も施錠されカーテンで覆われていた。

密室は2階にあり、外からハシゴでもかけない限り登ることは出来ない。

更に謎なのが、男の死体は全裸で、脱糞放尿にまみれた状態だった。


この密室で、一体何が起きたというのだろうか?



「奥さん、犯人がわかりましたよ」


「え!? 主人は、誰に殺されたんですか?」


「警部、さすがですね。訪問してから1分しか経ってないのに」


「ふふふ……訪問と肛門は閉まりが良いにかぎるってね」


「刑事さん! 下ネタ言ってないで早く教えてください!」


「まぁまぁ奥さん、そうにゅう(挿入)事は焦らずに……」


「警部、そろそろいいかげんにしないと、奥さんに刺されますよ」


「おっと、いけない、いつものクセで。奥さん、その包丁をしまって下さい」


「まったくもう! 本気で殺すつもりでしたわよ!」


「ははは……かないませんなぁ」



この刑事の名前は、下根 太郎(しもね たろう)。

彼は、いままでにいくつもの難事件を解決してきた凄腕の刑事なのだ。

ただ、いつも下ネタばかり言っているので、職場の女性には嫌われている。

また、セクハラ認定されるも、何とか事件解決の功績があるので、ギリギリ職は辞されていない。最近、奥さんと離婚したようで、悩みでハゲが進行しているし、虫歯も多い。さらに毎日、安酒の飲みすぎで痛風気味だ。

さて、この刑事は、一体どんな方法で事件を解決してくれるのだろうか?



「事件解決のカギ、まずは、そこの冷蔵庫を調べてくれ」


「はい警部……えっと、これといって、おかしな点はありませんよ? 健康飲料ばかりです」


「そうじゃない。製氷皿を見るんだ」


「正常位フェラ? どんなプレイですか? 3Pですか?」


「だっふんだ! そうじゃない、氷を作る皿を見るんだ!」


「警部、変なオジさんじゃないんですから……あ、これは……!」


「ふふふ……そいつが犯人なんですよ、奥さん」


「刑事さん!  一体どういう事ですか? 私には訳がわからなくて包丁を振り回したくて仕方ありません!」


「あぶないですなぁ、奥さん。いや、これは失礼。では、こうしたら……いかがですかな?」


製氷皿の中には、乳白色の液体があらわれた。


「ああっ……! まさか主人は……そんな……」


「おわかりになりましたか奥さん。ご主人は全裸で浣腸または凍った浣腸薬を直接アナルに投入し、あまりにも脱糞と放尿し過ぎた為に心筋梗塞でお亡くなりになられたのです。薬の成分が強すぎたのかもしれません。それに奥さん、あなたも関わっていませんか? さっき、お腹がゴロゴロと鳴って苦しそうな顔をしていましたからね。それが、今回の事件を生み出したんですよ。」


「まさか……犯人はスカトロプレイだったとは……いや、警部、おみごとです」

(本当は死体の肛門に脱糞が付着しているから誰でもわかるんだけどね……黙っとこ)



こうして事件は解決した。

しかし、その傷跡には、悲しみではなく、奥さんの羞恥心だけが残っていたという。      

                                   完

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