トウメイウオ
安良巻祐介
希少種のトウメイウオを飼っているという友人が、魚が逃げたと言って電話をかけてきた。愛情いっぱいに注いで育てていたのになぜ、或いは死期を悟った猫が飼い主の前から姿を消すのと同じなのか、等々と涙声でまくし立てる友人を電話口でなだめながら、ふと窓の外を見た私は、満天の星空へ向かって、透き通った銀鱗を煌かせて泳ぎ去って行く巨大な魚の姿を見た。単純に育ちすぎて窮屈になっただけだったらしい。
トウメイウオ 安良巻祐介 @aramaki88
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます