引き取られる前は悲しくつらい思いをしていた主人公。義母から暖かく包み込むような愛情を向けられて心身共に強く前に進む様子に、胸をうたれました。必要としてくれる人のためにあろうとする彼らを取り巻く環境は残酷なものですが、主人公たちがお互いを支えあって生きていく様がとても心に染みます。そして、半神の大和が可愛いく、大変癒されます!悲しみの中に優しさと温かさがある。そんな作品だと感じました。
親戚中をたらい回しにされ、悲惨な少年時代を送ってきた真之は、ある事故が元で紺という妖狐の女性に引き取られます。紺の愛情を一身に受けて成長した真之は……あらすじは、ざっとこんな感じです。古いおとぎ話を紐解くと「親を失った子供が人外に育てられて〜亅っていうネタはよくあります。この物語は、そんなおとぎ話の鉄板ネタを踏襲しつつも、しかし、真之の成長のみに焦点を当てていません。一見、真之の成長ものに見えるお話ですが、しかし、同時に紺という女性の母親としての物語でもあるのです。
初回から悲惨な目に遭う真之。それでも彼には徐々に味方が増えていきます。惜しみない愛を注ぐ建宮紺。真之と似たような境遇の道内芹那。やがて成長した彼は重要な役目を担うことに……。なんと言っても注目するべきは真之の成長ぶりです。頼もしく、強く、ビッグに成長します。これからも困難が襲ってくるでしょうが、真之なら大丈夫!
うつくしい妖狐に養われることになった主人公、真之。そのきっかけとなった巨大な化け物との対面は、彼の人生において大きな転機となり、不思議な神々とのふれあいに繋がっていきます――。『霊災』や『神柱護衛官』など、魅惑的な世界観がちりばめられた、怨霊と妖怪、そして人間が織りなす現代ファンタジー。これを読めば、義母・紺さんの魅力にメロメロになってしまうこと請け合いです。
紺さんと一緒に暮らしたいなぁ!非常に安定感ある文体でしっかり読めました!それにしても、強くてキレイなお姉さんは素晴らしい……!
読み手に安心感を与えてくれる、プロレベルの安定の文体に、映像が自然と目に浮かぶ描写で、ぐんぐん惹き込まれます。厳かながら情に溢れる神々と、ちっぽけで驕った人間達との、今後の展開に目が離せません。美しく魅力的な妖狐の女神様と、哀しい幼少期を彼女のおかげで乗り越え今や立派な大人に成長した主人公の今後も、とても楽しみです。
かつて虐待とも言える、いやそれよりも酷い扱い、貧乏くじとまで呼ばれた少年の止まっていた時は、『怨霊』の復活で再開された。過去の破壊、紺との出会い、急激な環境変化は、少年にとって新たな道を切り開いた。多難な道ではあるが、少年はやがて成長し、大人になった。しかし物語はまだ序盤であり、また最大の謎である『怨霊』の再来もまた、解決されていない。これからの展開に注目が必要な、そんな小説だ。
心無い大人達によって身も心にも傷を負った少年、真之君。巨大な怨霊に襲われ絶対絶命の真之君を救ったのは綺麗で強くてかっこいい!素敵な妖狐の紺さん!紺さんの息子になった真之君。真之君の義母となった紺さん。これは、そんな二人の微笑ましくもスリリングな物語。妖狐の紺さんが格好良過ぎて可愛い過ぎる素敵な逸品、是非一読あれ!
そんな作品です。
ヒロインにより生き地獄から抜け出せた主人公。主人公とヒロインが、ともに幸せになって欲しいと願う物語でした。