第2話 転移先の洞窟にて
【日時・場所不明】
「花月君、起きて」
誰かが俺を起こしているみたいだ
妙にいい匂いが鼻をくすぐる
俺はひとまず目を開けた
目の前には酒匂さんの顔があった
しかも結構近くに…
「ふぁ!?」
俺は驚くしかなかった
あんな近くに美人の顔があるんだ、仕方がない。
「そんなに驚くことかしら?」
と言いながら酒匂さんは少し不機嫌そうに立ち上がり俺に手を差し伸べてくれた
「花月君はこの状況をどう思う?」
俺は酒匂さんの手を取りながら立ち上がり周りを見渡した
どうやら洞窟のような場所にいるみたいだ。
少しジメジメとした洞窟でチラホラとコケが生えているのが見える。
穴をひとつ見つけた、これが出口に通じるんだろうと期待しておこう。
さらに周りにはまだ目覚めてないものや、目が覚めていてもこのありえない状況について話している奴らもいる
多分2クラス全員揃っているだろう。(この大学訪問では各大学につき2クラスで訪問していて俺たちはB組と一緒に行った。)
そして広さなんだが
俺たちA,B組のの総勢60人まるまる入っていてもスペースを感じるくらいの広さだ。
「酒匂さん、俺にはこの状況を説明するほどの言葉はないよ…」
「やっぱりそうなのね」
と言いながら酒匂さんはため息をついた
少なくともこんな状況を説明できるのはもはや神様しかいないだろうという程である。
「おい花月、ケガはないか?」
と言いながら右手にガスガンを携帯した状態で海斗が近づいてきた
「ケガはないよ、でも状況の整理がつかない」
「安心しろ俺も全くわからん」
「おい、天城今こそお前の頭の見せ所だぞ」
と言いながら、海斗と晴くんが来た
「そんな事言われてもなぁ…
とりあえずみんな揃っているかどうかの確認と出口を探すのふたつじゃねぇかな?
そして、武器の調達とかしないといけないな。」
「そうか、なら俺が言ってやろう」
と海斗の提案に晴くんがかえして
「みんな聞いてくれー
今から点呼をとるぞ、とりあえず60人数えるから動くなよー」
流石、晴くんだなぁリーダーシップがありすぎてすごい。
「何やってるの?花月君さっさと60数えるわよ」
「あ、うん」
酒匂さんに言われたとおりに俺は人数を数えた
結果1人も減らずに60人揃っていたのを確認し報告した。
「海斗、60人全員そろってるよ」
「ふむふむ60人揃っていると…
晴人、お前をリーダに腕っ節の良さそうな男を選んで分隊を組むのはできるか?」
「別にできるが、組んでどうするんだ?」
「簡単だあの穴の奥を調査して、洞窟からの脱出を計るんだ。」
たしかにここからの脱出は絶対しないと食料とかの関係で俺たちが干上がるのは時間の問題だ。
しかしこの洞窟から出ても必ず安全とも言いきれないし少し不安が残る…
大体ここは日本なのかどうかもわからない状態なんだ。
「わかったよ分隊員集めてくるわー
それと、結都お前メンバーな」
「え、真っ先に俺なのか?」
「丁度いいところにいたからなー」
と言いながら晴君はほかのメンバーを探しに行ってた
ほんまに、あんなんで大丈夫なのか?
「おーい!
結都、海斗こっちにきてくれ!」
声をかけられた方をみると俊は俺と海斗を呼んでいた
言われたとおりに俊のところに行くと大きめの木製の箱がそこにあった。
「これは開けるしかないな…」
と言い海斗は箱を開けた
中には武器があった。
鉄製のダガーナイフ×2
鉄製のショートソード×3
弓×1 矢×13
盾×1
どれも錆びたりしてなまくらに近いが、ないよりはマシだろう…某ゾンビゲームでハンドガンとかショットガンを手に入れた瞬間アクションゲームへと変わる感じだ。
それから約一時間後
分隊ができた。
メンバーは
俺・晴くん・俊・野球部の人×2
の5人だ
晴くんと俊以外のメンバーとは交流を持ったことはないので名前すらわからないんだがとにかく強そうだ
「んじゃ、出口見つけに行くか」
と俊が言い僕らはみんなの期待を背負って出発した。
二藍の転移者たち @tachikaze_
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