第3章までのレビューです。
第2章大学授業編では、教師となった主人公が苦労します。
よくある教育問題などと重なる部分もあるため、そういった社会的な部分に関心のある人だとより楽しめると思います。
第3章は、主人公の生徒たちの活躍が目を引きます。
第3章まで読んでみると、この物語の面白さが分かると思います。
教育問題や学校の裏側のシビアな事情などは、興味ないという人もいるかもしれません。難しい話を読むのは辛いという人ももしかしたらいるかもです。
ですが、ある程度読み進めていくと、個性あるキャラクター達が活躍するこの物語の続きが気になってしょうがなくなるのではないでしょうか。
生徒達のキャラクターが魅力的で、その成長が丁寧に描かれているので、まず第3章までを一度読んでみてください。
世界で唯一の蘇生魔法の使い手としてエリート魔法師団に在籍しながら、とある任務で魔法を失い、魔法大学の講師に転職した少女リディア。
問題児が集められた特別授業を受け持つことになった彼女が、生意気な年上男子たちの指導に苦慮しながら魔法の真理へと迫っていくストーリーが興味深いです。
転職して痛感した大学教育の現場は世間の常識とかけ離れた理不尽とパワハラが横行する世界で、面倒な雑事はすべてリディア任せ、自分の研究や講演会を優先して、まったく生徒たちと向き合おうとしない教授たちに腹が立ちます。
そんな教授陣に失望していた生徒たちも、熱心に指導するリディアには次第に心を許していきます。
どんなに辛くとも投げ出さず、いつも自分を犠牲にして面倒事を引き受け、生徒の可能性を信じて見捨てない。まさに理想の教師ではないでしょうか。こんな先生に学びたかった。
けれどリディアに構ってほしくて無理に口説いたり、強引に迫ったりしては彼女を困らせる男子生徒たちが、つくづくバカだなぁと笑ってしまいます。
一見、よくある逆ハーレムですが、現実にもある大学教育の問題に切り込みつつ、世界観も作り込まれた本格派な異世界ファンタジーです。
(「学校へ行こう」4選/文=愛咲優詩)
魔法でファンタジーで主人公が愛されまくってる…という、私の趣味どストライクに投げ込まれた作品でした。
ところがどっこい、ただの逆ハーではないのですよ…!いいですか、皆さん…!
【ポイント1:世界観の作り込みが程よく深い】
特に、魔法に関する設定の作り込みが、素敵です。
過度に複雑でもなく、かといって、分かりやすすぎる訳でもなく。。
しかも、主人公リディアの講義という形で説明されるので、するっと理解できてしまうのです…なんなら、私がリディアの講義を受けたいくらい(ぇ
加えて、理路整然としてるんですよね。本当に、そういう教科書が存在しているかのような説明です…普通に納得してしまう己がいます…。。
【ポイント2:どのキャラも良い子!】
リディアもさることながら、各キャラ皆、それぞれに問題を抱えていて、乗り越えたい過去がある。これが、リディアとの関係性に良い塩梅で影を落としていて…胸がキュンキュンしますね…。
どのキャラにも深みがあるのですね…薄っぺらくないと言いますか。だからこそ、読者側にも想像の余地が与えられて、妄想がはかどります。
ちなみに、どのキャラも大好きな私ですが、推していきたいのはマーレン君です(傍若無人に見えて、めっちゃリディアのこと心配している姿がたまりません…)。
マーレン君だけでなく、素敵なキャラクター目白押しです!
貴方の好みの子もきっと見つかるはずですので、皆様、是非一度、お読み下さいませ~!