真に恐ろしきは呪いか? それとも……?

かつて要衝として栄華をほこった廃城、沙州関。
そこに詰めていた兵士たちは自分が殺される悪夢に悩まされていた。

再建命令を受けた王子怜と、彼の従者として召し抱えられた萬春明もまた、その悪夢に巻き込まれていくが……?

架空の歴史を歩む中国を舞台とした、サスペンスドラマ。
いくつもちりばめられた伏線が終盤で結実する時、思わずうならされること請け合いです。

キャラクターたちにも一癖も二癖もある、ミステリアスな人々ばかりで、キャラクターたちに、それこそ夢の中へ引きこまれてしまうかのごとく思わずぐっと引き込まれてしまう力強い魅力があります。

夢か現か。本当に怖いのかどちらなのか。
読み終わった後、深い感慨とともに考えさせられる良作です。

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沙州関異聞

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