去就に人間が現れると言いますが語り手は、過去を切り捨てるのではなく、自分のものとして受け入れ進むようです。 心の揺れ揺れ動きが繊細に描かれ、引き込まれました。
ラストシーンが非常に印象的でした。彼女の心情語一つ一つに、強い力を感じます。描写も大人っぽくて優しくて、作品の雰囲気が、決して重苦しくなりすぎないように描かれていると感じました。爽やかな心持で、物語を閉じられるのがまた素敵です。
忙しさで、大切な人に辛い思いをさせる。そんな経験がある人なら、共感できると思います。