九、春(後編)

 春は花、桜を観ながら、走るもよし。



(後編、はじまり)


 カフェまで来たら、ここからはバイクに乗って走れます。ただし、「土曜、日曜、休日」の「9-18」は通行禁止です。しかも観光客もいますから、のんびり桜を楽しみながら走りましょう。更に、未舗装の区間もありますから、凸凹や水溜り等にも注意して走りましょう。

 最近増えたカフェ等でお茶休憩をしてもいいですね。


 ここからは、右に左に、緩やかに曲がる道を快適に走り、銀閣寺参道(今出川通り)まで自由に進んで下さい。因みに、この「哲学の道」は「鹿ヶ谷疎水道」と言う名称もあるそうです。


 風が吹くと、花びらが舞っていい雰囲気ですね。どうですか。桜を堪能出来ましたか?


 参道に出たら左折です。右折すると銀閣寺です。


 信号を越えて少し進むと、前編のお話しに出てきました日本画家の橋本関雪の屋敷兼アトリエ跡の「白沙村荘・橋本関雪記念館」が左側に見えます。一般公開されてますし、レストランとしても営業してます。興味のある方はどうぞ。


 私は以前ここで、全国から集まった友人達を招待し、綺麗な庭を見ながら湯豆腐定食を食べました。

 みんなは、


「京都の湯豆腐はめっちゃ美味しい!」


 と言って食べてましたが、私には普通の湯豆腐と何処が違うのか分かりませんでした。は、は、は。


 記念館を過ぎると、小さな橋を渡ります。気が付かない程の小さな橋。この川は、エピソード「四、夏 その3」で出てきた白川です。なんとここで、白川と白川疎水が直交してるんですよ。

 疎水が白川の下へ潜り、サイホンの原理で白川をくぐってから、また地表に出てきます。こんな工事を明治時代にやってたんですね。凄いですよね。


 それで、橋を右に曲がって疎水の向こう岸の道「白川疎水通り」へ入って下さい。ここは西向きの一方通行です。


 西に向かって白川通りまで来たら、バイクを降り、エンジンを止め、押して渡って下さい。


 えっ! 何でかって?


 西へ向かう白川疎水通りは、白川通りの向こう側からまた「自転車および歩行者専用」道路です。どうしても進みたいのです。何度もすいません。

 そのかわり、お昼前になりましたから、美味しいラーメンをご馳走しましょう。


 白川通りの横断歩道をバイクを押して渡り(どんなツーリングや!)、そのまま「自転車および歩行者専用」道路の白川疎水通りを80m程進むと、右手に小さなラーメン屋さんがあります。赤い看板が目印です。

 ラーメン通の方ならご存知ですよね。中華そば「ますたに」(左京区北白川久保田町26)です。

 京都を代表する、背脂たっぷり鶏ガラ系醤油ラーメンの元祖のお店です。鶏ガラベースのスープはあっさりですが、コクもあってめっちゃ美味しいですよ。京都駅や東京にも支店があるとか。でもやっぱり老舗ですから、ここで食べましょう。じゅるる!


 お腹は、いっぱいになりましたか?


 では、恒例になりましたが、再びバイクを押して進みましょう。(どんなツーリングやねんって!)

 ラーメン屋さんから、白川疎水通りを230m程(約3分)、バイクを押して進んで下さい。面倒臭い人は右折して進み、「志賀越道」へ出たら左折(一方通行)です。


 バイクを押しながら桜が楽しめるかどうかはさて置き、志賀越道へ出たら左折して橋を渡り、右折して、今度は疎水の左岸を走ります。ここから白川疎水は北へ向いて流れます。


 ああ。もうバイクに乗っていいですよ。


 ここからも、数こそ少ないですが、ゴールまで見事な桜が楽しめます。

 暫く行くと御蔭通りを越え、白川疎水の脇をずっと進みます。ここは、エピソード「八、冬」でも通りましたね。冬場は枝しか無い寂しい風景でしたが、今は満開の桜花。その対比を楽しんでみて下さい。ここは別名「北白川疎水道」といいます。

 因みに、一時停止が多いので、十分に気を付けて下さい。


 さて、大きな北大路通りに出たら左折です。そして直ぐに中央へ寄り、叡山電鉄の踏切を越えたら右折です。高等テクニックですね。無理ならば、この先の大きな高野交差点を右折して東大路通りに入り、二筋目の橋の手前を左折してもいいでしょう。


 北大路通りを渡ったら、直ぐに左折して白川疎水通りを走ります。疎水は北西に向いて流れてます。


 ラーメン屋の多い東大路通りを渡って真っ直ぐ進みます。エピソード「八、冬」に出てきた赤ノ宮神社(賀茂波爾神社)を越えたら、広くなって川端通りにぶつかります。エピソード「五、晩夏」で、集合場所にしてた所ですね。

 今日はここで解散しましょうか。


 疎水は、ここで高野川にぶつかり、高野川へ合流します。昔は、サイホンの原理で高野川の下をくぐり、西岸の松ヶ崎浄水場で取水されてました。

 その後疎水は、北大路通りを大きく迂回し、今度は賀茂川の下をくぐって、紫明通りの地下(暗渠)を西へ流れ、堀川通りで堀川に合流してました。


 近年、京都市(京都府?)では、その水の流れを復活させ、琵琶湖の水を堀川へ流し、二条城のお堀を潤そうという計画があるそうです。もう完成してるのかは分かりませんが、是非そうなって欲しいと思います。


 因みに堀川は、堀川今出川交差点の南で地上(開渠)に出ます。そして二条城横から再び地下(暗渠)を流れます。西本願寺の前だけは開渠で流れ、その後近鉄上鳥羽口駅まで暗渠で流れてます。駅の西から開渠となり、名神高速道路付近で鴨川へ合流します。


 如何だったでしょうか。ちょっと過酷な体験になりましたが、満開の桜と琵琶湖疏水の水の流れを堪能して貰えましたでしょうか?

 このコースは、本当に桜が綺麗なコースです。ゆっくり走って、心ゆくまで桜を満喫しておくれやす。




※走行データ (京都市左京区)


(前編)

①京都府立鴨川公園(下鴨宮河町)-南禅寺(南禅寺福地町) 3.9km

②南禅寺-カフェ(鹿ケ谷寺ノ前町)            1.4km

小計 5.3km


(後編)

③カフェ-ラーメン屋(北白川久保田町26)        1.3km

④ラーメン屋-川端通り交差点・解散地点(高野竹屋町)   2.2km

小計 3.5km


合計 8.8km




【参考】Googleマップ


(前編)

①京都府立鴨川公園(下鴨宮河町)-南禅寺(南禅寺福地町)

https://www.google.co.jp/maps/dir/35.0305688,135.7717686/35.0113892,135.7917205/@35.0206651,135.7774928,15.5z/data=!4m2!4m1!3e0?hl=ja&authuser=0


②南禅寺-カフェ(鹿ケ谷寺ノ前町)

https://www.google.co.jp/maps/dir/35.0113937,135.7917149/35.0207688,135.793958/@35.0153884,135.7885433,16.35z/data=!4m14!4m13!1m10!3m4!1m2!1d135.7956713!2d35.0153823!3s0x60010918b09c6995:0xdef7fd8639d24d54!3m4!1m2!1d135.7942486!2d35.0191734!3s0x6001091c05091f49:0xe43b2ed38c903cff!1m0!3e2?hl=ja&authuser=0



(後編)

③カフェ-ラーメン屋(北白川久保田町26)

https://www.google.co.jp/maps/dir/35.020774,135.7939703/35.0283325,135.7903868/@35.0245083,135.7912956,16.83z/data=!4m14!4m13!1m10!3m4!1m2!1d135.7950258!2d35.0271681!3s0x600109040c3a6669:0x2b94eccd961fe7e9!3m4!1m2!1d135.7921043!2d35.0279784!3s0x60010901a5a94217:0xdc1f45cbc9f785f7!1m0!3e2?hl=ja&authuser=0


④ラーメン屋-川端通り交差点(高野竹屋町)

https://www.google.co.jp/maps/dir/35.0283315,135.7903973/35.0439707,135.7808207/@35.0362435,135.7836326,15.72z/data=!4m14!4m13!1m10!3m4!1m2!1d135.7882799!2d35.0294222!3s0x6001085564a9ce39:0xda6d4c85d531e85c!3m4!1m2!1d135.7881222!2d35.0315937!3s0x6001085502ee9a77:0x41fe43ed21e37013!1m0!3e2?hl=ja&authuser=0


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京都、バイクちょい乗り草子 すみこうぴ @sumikoupi

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