まず、作品に満ちている、妖しい血と花の香りが美しい。 日常と非日常の構築のバランスが優れているので、独特の世界観に酔うことができます。 謎解きの構成も素晴らしい。とくに後半の見せ方。大輪の花が咲くように、謎の解かれかたが美しいのです。 そして、登場人物四人の関係性が、何よりも魅力的です。 どこをどう切っても美しく、切ない。もっと……この四人に酔っていたかった。読了後、そう思いました。 私は睡眠時間を削って一気読み! さあ、あなたもぜひ、ご一読!
人類、花、そして吸血鬼。パッと見、不思議な組み合わせですが、それぞれの特性と想いを上手くブレンドさせて、全く新しいバンパイア作品を作りだした珠玉の一本☆恋愛要素も切なく入り込んでますが、男女の仲を越えた絆の方に愛宕は胸を打たれました。作者様の世界観にどっぷりと浸かって、『花人』と呼ばれる者たちの生き様とキャストたちが織り成す謎解きを楽しんでみてはいかがでしょうか☆
花人病。人の血を吸い、そして最後は咲くか枯れるかしてしまう、まるで吸血鬼に似た症状の恐ろしい病。この作品はそんな花人病にまつわる人たちの物語です。最初はただの花人病患者の恋物語だと思いました。だけど、それだけじゃないんです。この物語は花人病患者となってしまったことによって巡り会った者たちの物語であり、彼らを助けたいと願う者たちの物語であり、そして、人間に対する問いかけの物語であるのです。読み終わったときには切ないような、不思議な感覚に陥ると思います。とても深く、素晴らしい作品です。