切なくて、やるせなくて、悲しくて、優しい……そんな物語

花人病。人の血を吸い、そして最後は咲くか枯れるかしてしまう、まるで吸血鬼に似た症状の恐ろしい病。この作品はそんな花人病にまつわる人たちの物語です。

最初はただの花人病患者の恋物語だと思いました。だけど、それだけじゃないんです。
この物語は花人病患者となってしまったことによって巡り会った者たちの物語であり、彼らを助けたいと願う者たちの物語であり、そして、人間に対する問いかけの物語であるのです。
読み終わったときには切ないような、不思議な感覚に陥ると思います。
とても深く、素晴らしい作品です。