一歩先も読めない、スリルと幻惑のヒストリカルロマンス

最初の事件は、影のある魔女ドルイドのもとに天真爛漫な姉メアリがやってきて、軽やかにはじまる。

魔女の仕事を手伝いたいお荷物な姉と、仕事に集中したいドルイドのかけあいが面白く、事件の解決と姉妹の交流、そしてハンサムな協力者であり吸血鬼でもあるレイモンドとのやりとりを楽しみに読み進む。
ストーリーはたくみで、ヴィクトリア時代の生活風俗を楽しむヒストリカルロマンスでもあるし、姉メアリをワトソン役にした探偵ものの面白さもある。

序盤はゆったり進むが、ドルイドとレイモンドの関係に焦点が当たりはじめる三章後半からは、読み進むのをやめられない急展開が続く。
吸血鬼としての獣性に苦しむレイモンドと、こちらも内なる怪物を身にやどすらしいドルイド、ふたりのひりつくようなやりとりにはどきどきしてしまう。このふたり、いったいどうなってしまうのか……

課金して続きが読めるなら、課金させてくれと言いたくなるおもしろさ。ほんとに続き待ってます!