第4話 (終)planet

上空から押さえつける熱線と、

息の出来ないくらいの、

ふきあげる熱波に、身動きできずに、さらされるハミュエル。


大天使ハミュエル

「(息が、しずらい。)お前か?・・・・元凶?」


太陽神ゴステロ

「この世界(くに)の人間は、いまだに間抜けで、無慈悲で、その思い上がりはもはや、天上界迄を、再び懲りずに破壊尽くす恐れあり。ただいまを持ち、人類を焼き滅ぼす。(笑)」


ハミュエル「は?人間の心理の何がわかる? てめぇは、たかが、象徴神の分際で、でけぇツラぶっこいてんじゃねぇぞ!」


太陽神「哀れ、欲化した天使など、実に恐れに足らぬ。人類(ごみくず)と共に焼却してやろう。」


(カシエルのケータイを見つめるlie

そして、マイクロバスに乗り合わせた人々が、口々に騒ぎだした。)


港町の住人

「なんだあれ?まだ夕焼けの時間じゃないのに、太陽が、海に近づいてる。」


住人2

「あれじゃまるで、お天とさんが、津波起こしてるみたいじゃぁ。」


(ハミュエルは、歯をくいしばり、近付く太陽に迫る。大津波は、間一髪で、天使の足元をかすめていく。)


太陽神ゴステロ

「ハッハッハッハッ・・・・自ら、その身を焼きに来るとは、おろかすぎるぞ?(笑)」


(次々噴き上げるコロナのなかを、ギリギリで避けきっている。)


ハミュエル「(太陽神(こいつ)の本体は、どこかにあるはずだ。そして・・・この半端ない熱量の原因・・・・まさか?、)」


(ハミュエルの携帯が呼ぶ。)


ハミュエル「なんだ!?、まだ逃げなかったのか?、津波は、また来るぞ❗️」


lie「敬太!・・・・太陽には、黒点がある。」


ハミュエル「黒点?」


lie「ほーくーろっ!」


(回想、敬太のラボと呼ばれる、部屋で朝を迎えるlie。そして、

診療疲れなのか?、それとも何者かを、不眠不休で探し疲れた敬太が、リビングの机の上で、伏せって眠っている。)


lie「モラハラ敬太ぁ?・・・あ、ネテル❤️」


lieは、何気に、敬太の首筋にある、星形の黒子をつついてる。

(回想終わり、ハミュエルが飛行しながら叫ぶ)


ハミュエル「黒子が、どうしたって。?」


(熱線で通話が途絶える。嘲笑う太陽神。)


太陽神「おいおい、人間の手本となりて導く天使が、ながら飛行は、如何な物かな?わっははは。」


(再び、次々吹き付ける、コロナの中を飛び回るハミュエル。)


ハミュエル「あっ、あったっ!」


(白銀の弓と矢を握り、太陽の黒点に向け、弓を引く構えをとるハミュエル。恫喝する太陽神。)


太陽神「終るぞ!本当に終るぞ!浅はかすぎる、天使(おまえ)のために、人類が滅びるんだぞ、いいのか?若造!」


(弓を引く力を緩めない、大天使ハミュエル)


ハミュエル

「いーよ、やってみろ。ハッタリかまして、前世紀みたいに、一つまみの人類を残して、崇められたいんだろ?(笑)、人間たちの新興宗教みたいに。」


太陽神「な、なら言わせてもらう。

お前の身体は、光合成の一種、ヘックス粒子でできている、ましてや、人の子の、肉体を被る貴様に、一切の勝機なし!」


ハミュエル

「そんなもん、やって・・・」

(熱波で、次第に、意識が遠退くハミュエル、その意識の行く先は、回想のなかにとけこんだ。。)


(回想)

天上界、地上に降りるための、先発試験の前日の自主訓練をする、若き天使たち。


カシエル

「相変わらずハミュエルは、弓を引くのが、下手くそだな?(笑)」


ハミュエル「うるさい。手首に力が入らないだけだ。」


カシエル「このままじゃ、地上に降りれないぞ。」


ハミュエル「おれは、貴様を・・・越える!」


カシエル「無理だ。」


(回想が終わり、現実に引き戻されるハミュエル。そして、墜落する寸前に)


ハミュエル「やってみなきゃ・・・・わかんねぇだろっ!」


(天使から放たれる、銀の矢。)


太陽神ゴステロ「ぎ、ぎゃああああああ!!」


(膨張する太陽)


ハミュエル「はなれろ!lie !」


lie「え?」


(昔見た、原爆の記録映画のように、形が認識できないくらいの光が、あたりを白く染めていく。)


ハミュエル「・・・や、やったか?、アカシックレコードは、」


(世界が、静かに視野を取り戻したとき、天使の目の前に、異形の神が、降臨していた。)


ハミュエル

「擬似、太陽だったか?。」


(身体中から、焦げ臭い煙を立ち上らせる、不動明王。)


不動明王

「てめぇ・・・・」


ハミュエル

「アカシックレコードを、渡してくれ。お互い、これ以上戦えば、無駄な消耗戦になる。」


不動明王「俺と、お前が闘うだと?」


ハミュエル

「あんたが纏っていた、擬似太陽は、アカシックレコードの力だ。」


不動明王

「それが、」


(不動明王は、瞬間移動で、地上から、ハミュエルの背後に回り込み、羽交い締めからのヘッドロックで、天使の首を、一気に締め上げる。)


ハミュエル「・・・・」

不動明王「どうかしたか?(笑)」


(締め上げる不動明王の腕に、次第に熱がこもる。)


不動明王「この世界の熱量は、俺が取り込んで、自在に操ることができ

る。」


(銀の弓矢を拾い、不動明王へ弓を引くlie)


不動明王「笑止。我を倒さんが為に、愚かな凡夫(人間)が、得たいの知れぬ、偶像(てんし)とやらに、加勢するか?(笑)」


lie「敬太。今助ける!」


ハミュエル「ば、バカ!、今すぐ港町(ここ)から離れろ!(人間が、なんで、天使の矢を。)」


lie「ありがと、敬太。(中国語→)お爺ちゃんや皆が、日本人は、怖い所だ、行くんじゃないって、言われたけど。・・・人って、であわなきわゃ解んない。国同士の間違いだって、理解し会えない。そして、ハミュエル。今のあなたが、私には、単なる偶像でも・・・今は必ず、助ける!」


(力一杯で、弓道と同サイズの弓を引くlie。)


ハミュエル「今だ!」


(いきなり両腕で、不動明王の頭を引き込むように、自分も前屈みになり、地上に落下していく。)


不動明王「死なば、諸ともか?」


(lieは、気絶したまま、起き上がれない。)


ハミュエル「またな。(笑)」


(不動明王の背中から、ハミュエルの溝内にかけて、長身の白銀の矢が貫通してしまう。)


不動明王「我は、死せず。蘇きて、必ず、凡夫の罪を止めんが為に、世を罰する。」


(消滅する、ハミュエルの体のあちこちから、光のかけらが、静かに舞い上がる。)


(数年後、lieの故郷)


執事「総理。lie総理。」


(大きい机の上に、伏せ寝しているlie。)


執事「議会が始まりますよ!総理!」


(子供のように、目を擦ったり、あくびをしたりして、身なりを整えながら、議会会場に向かうlie。)


議員1「日本に核ミサイルを、いつになったら、撃ち込むんだ?」


lie「撃ち込みません。」


議員2「我が国は、今すぐ海洋大国にならねば、数十億の民を、喰わせていけないだろ?」


lie「まず、環境問題を何とかしなければ、汚染地域を増やすだけです。」


議員「そんな事に、時間や金が使えるか?だったら、沖縄を因縁つけて、属国化だ。」


lie「我が国は、元々侵略国家で、今まで、様々な民族を滅ぼしてきました。


憎しみをうえつける側は、必ず後で、恨まれます。」


議員2

「日本だってやってきたじゃないか!」


lie「でも、その日本から、多額の支援を受けてきたのは、事実です。」


議員1「成り上がりの小娘に、何がわかる!」


lie「ロシアから、植え付けられた、共産主義を捨てて、国民を含めた、3議院制にした、経緯を忘れたら、ダメです。

従わない民を増やしては、何もなりません。


人工島は、迷惑をかけた国に返します。」


(壮絶となる議会を、警備員に護られながら、後にするlie)


執事「これで、良かったんですか?」


lie「小国日本と、散々バカにして、大腕振って、日本の街を、歩く時代はもうやめないと、この国は、日本より先に、崩壊する。・・・そんな気がする。」


(ティアドロップ型で、スケルトンな携帯が、着信する。)


calling・・・


lie「敬太(笑)・・・・。」


(終わり)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

もうひとつの天使のケータイ 空想携帯小説家 @acvr4523shigechan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る