Aimer.
ひとりの少女がいました。
容姿は人並み。頭のよさも人並み。誰のことも憎まないけれど、誰のことも愛さない。愛せない。誉め言葉は忘れないけれど、欠かさない笑顔はいつだって虚構。
そんな子でした。
天性の“ひとりぼっち”であることを受け入れた少女の目に、希望とか、幸福とか、そんな前向きの概念は少しも映りませんでした。
たったひとつの誇りといえば、今は二度と会うことのなくなってしまった一人の男の子を、幸せにしてあげられたこと。恨むことなんて決してありません。
そして今でも、少女は願うのです。
あの子が明日もどこかで笑って生きていくことを。
当たり前に誰かを愛し、誰のことも憎まず、誉め言葉だって忘れず、いつも笑顔を欠かさないでいてくれることを。
だって、泣いても、叫んでも、
愛することをやめられなかったのですから。
Fin.
Aimer 蒼原悠 @shakefry
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