これを読んだら、あなたは誰かに優しくなれる。

春の木漏れ日の熱に触れたような気分です。作者さんは角田光代さんが好きとのことですが、文体からほのか「どころかけっこう)似たような香りがします。私も角田光代さんが好きです。なので砂村さんが好きです。

なんだろう、この、透明度の高さは。

うーん。炎天下の中の日陰?違う、プールの水に反射する光?いや。太陽に翳したサイダー。なんかそれが一番近い気がします。
作者さんは日々を丁寧に生きてるんだなと思いました。そして自分の適当具合に苦笑いしました。小説を書くにあたって、やはり経験がないと実のあるものは出来ないんじゃないかと個人的に思っているのですが、作者さんはその日常を捉え、書くのがすごく上手い。うますぎて怖い。え、一般人のふりしたプロ小説家ですよね?って思っちゃう。なんてことない描写にただの読み手である私が愛着を持ってしまいます。
明日から、なんてことない人のことを愛せそうな、そんなお話ばかりが詰まった作品でした。ありがとうございます。ご馳走様でした(?)

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