ほんわかヒロインちゃんの破壊的ニブチンさがラブ要素を打ち砕いてしまう恐怖の秋立シリーズ、13冊目にしてようやくラブラブ成就か?
と思いきや、早くも留年の危機が彼女に迫ります。
このままでは稀に見る留年ヒロインの誕生です。ちょっと見たいですが。
まずは勉強時間の増量でしょうか。
それに周囲がなんだか穏やかじゃありません。
ヒロインちゃんを間に挟んで、お友達が何やら丁々発止のご様子。
止まぬ言い争いに、主人公くんはもちろん、読んでいるこちらもハラハラドキドキです。
ケンカするほど仲がいいのか?
雨降って地固まるのか?
留年か? とうとう留年なのか?
ラブも勉強もケンカも大増量、てんこ盛りの内容となりました。
余談ですが、最終話の次回予告を見て衝撃が走りました。
"13.5冊目!
2018年7月23日(月)からスタート!"
……奇しくも本日2020年7月23日、周回遅れを嘆いている間に、なんと2年遅れであります。
「テストが終わった次の瞬間、なぜか俺はかわいい女の子3人と海に行っていた! 恐ろしいものの片鱗を味わったぜ」的なことを真顔で言うリア獣、道久君の闇堕ちはその時すでに避けられないところまで来ていたのです。
当時のことを思い出しながら、今の彼はきっと、こう思っています。
(あの時据え膳食っとけばよかった!)
紳士(ロード)の称号を得てしまった以上、周りの目もあって下手なことは言えないので心の中で呟いているのですが「あの頃が人生の絶頂期だった!」という後悔の念がダダ漏れです。もしあそこで勇気を出して冒険していれば、今頃は童貞も捨てて、こんな鎧などまとわなくて済んだのに。デリヘル好きの同僚に白目を向けながらも、本当はとても羨ましいと歯噛みせずに済んだのに。まだ30歳なのに過去の栄光にすがるのはみっともないと思いつつ、いや、自分はあの時の行動を正当化できるだけの理性をこれまで保ってきたはずだ(でもだからこそ、少しは報われてもいいはずだ)と犯罪者一歩手前の精神状態で毎日を過ごすこともなかった。あいつさえ、あの時あいつさえものにしていれば……
なんて思う自分のすぐ横を見知らぬたれ目の女の子が通るだけでビクつくいまだに小心者の秋山道久30歳・既婚・童貞。もう後がありません。