ちょっと怖い?ホラーエピソード

影山 雪奈

第1話

 これは、ある少女が体験した不思議な出来事。


「……眠れない。」

 いつもなら、11時を過ぎればすぐ眠くなって寝てしまうのに今日はちっとも眠れなかった。おそらく原因はコーヒーを飲みすぎたせいだろう。彼氏が出来て気分の良かった私は、調子に乗って

「私は大人よ!」

 とか言ってコーヒーを何杯も飲んでしまった。

「調子に乗ってあんなに飲むんじゃ無かった。」

 ふと時計を見ると丁度1時をさしていた。布団に入っててもちっとも眠くならないので、私はテレビを見ることにした。

「この時間って何か面白そうなのやってるのかな、ってあれ?」

 テレビの前に座りダイヤルを回してチャンネルを変えているが、いくら回しても画面が切り替わらないのだ。

「故障かな?」

 他にすることもなかったし、睡魔は一向に襲ってくる気配がないのでテレビの画面をボーと見ていた。

「ザ……ザザッ…ザ……」

 突然画面が暗くなり、ノイズが部屋に響いた。

「ひっ!」

 私は驚いて、背中を壁にぶつけてしまった。痛む背中をさすりながら、テレビの音量を下げようと思い、テレビを見ると画面に黒くて美しい長髪の女性が写っていた。

『ふふふっ。こんな時間に起きているなんて悪い子ね。』

 突然笑って女性が話し出すものだから、ビックリしてまたぶつけてしまった。

『突然だけど、貴女は誰かを恨んでたりする?もしその恨んでる人がこの世から消えたら嬉しい?その恨んでる人の事を消したい?』

 笑顔を崩さないまま、女性は問いかけてくる。何だか少し不気味だ。

『そんな貴女に不思議な儀式を教えるわ。この儀式は『丑の刻参り』と言って古来から日本にある呪いの儀式のひとつよ。やり方さえ間違えなければ、きっと恨んでいる相手をあの世に送れるわ。ただし、失敗したら貴女の命は……。』

( 丑の刻参り……か。)

名前は聞いたことがあったけど、儀式のやり方までは知らなかった。

( これを使えばきっとあいつは……。)

時計を見ると、1時28分をさしていた。私は、意地悪なクラスメイトの顔を思い浮かべ丑の刻参りをする事を決意した。怨みを込めて丁寧に藁を編んでゆく。

「ふふふっ、私を馬鹿にした恨みを分からせてあげるわ。」





あの時は、いじめっ子を思い浮かべていたから別に何も不自然さなんて感じなかったけど、今思えば……。






〜終わり〜

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ちょっと怖い?ホラーエピソード 影山 雪奈 @epdppzkhm3

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