第2話 閃きの神はすぐいなくなる

前回までの荒い筋


仕事をサボって小説を書いていた僕は


というかまだ一話しか書いてないし、書くのが面倒なわけじゃ決してないけど、なんならそんな長くないから一話目読んでください。



はい。



そんなわけで木村さんが登場した。



「なあ心友アミーゴ。カクヨムのアプリで小説書きたいと思わないかい?」


「どうしたんだよ木村さん!唐突に」


季節風モンスーンとイイ男はいつも突然にやってくるんだよ」


「ええ?なにそれ?というか木村さん生きてたんだ。てっきりコカインのやり過ぎで死んだのかと…」


「ヤメろ!ひとを犯罪者みたいにいうな!そんな描写なかっただろ!」


「だって突然いなくなるから」


「いや突然連載終わらせたのお前だろ」


すみませんでした。




「とにかく文字数じかんがない。早く本題に入ろう」


「ええ?いいじゃん久しぶりなんだから、イキスギた僕らの友情について熱く語ろうよ、ねえ?いいだ」


「バーンナッコウ!!!」


「あばんてぃ!」


僕の頰に久しぶりの鉄拳制裁がくだる。めちゃくちゃ痛い。


「痛いよ木村さん!」


「いいかアミーゴ。よく聞け。テンポの悪いギャグほどクソなものはない。大した内容でなくとも大事なのはテンポ。覚えておけ」


「う、うん。肝に銘じるよ」


「ヨシ。では本題だ。どうだ。アプリで書きたいか?」


「そうでもないな」


「パワッゲイザッ!!」


「ばんぶるびぃぃぃ!」


再び鉄拳である。クソ痛い。


「何度も言わすな。テンポだアミーゴ。常にラテンのリズムを刻め!分かったか!」


「分かったよ!」


「よし!では聞こう!カクヨムアプリに投稿機能がついてたら良いと思わないか!?」


「別に!」


「しねやあああああ!!」


「ふらめんこぉぉぉ」


三度目の鉄拳に流石の木村さんも肩で息をしている。


「おうコノヤロー!いい加減にしろよ!?テンポだっつってんだろ!?ちゃんとやれよ!そこはただ『ハイ』だろ!?ブッこむぞテメエ!」


「ブッこむ!?なにそれ恐いよ!分かった、分かったよ」



しばらくピンクのもやもやしたイヤラシイ背景の中で二人して汗だくになった。



「確かにカクヨムのアプリで小説書けたら便利かもね」


「そうだろアミーゴ?お前らカクヨムユーザーにとっては、これほど必要な機能もないと思うんだ」


「いやスマホで書いてるユーザーは全体の三割くらいなんじゃない?それに、問題点も色々あるんだと思うよ。例えばアプリの不具合で保存していたはずの小説が消えてしまったら、ユーザーは半狂乱になるでしょ?」


「まあな」


「カクヨム側としてはそこまでのリスクを背負えないんじゃない。アプリって開発にお金が滅茶苦茶かかるみたいだし。課金制や有料アプリしたらみんな食いつかないでしょ。サイトだけでも手一杯なのに、そこまで手が回らないと思うよ」


「しかしなアミーゴ。小説サイトの帝王『なろう』は一旦置いておくが、『アルファポリス』や『エブリスタ』等の小説サイトではすでに専用アプリによる投稿機能が実装されている。エブリスタのアプリにはまだ改善点が多いそうだが、アルファポリスのアプリは結構使いやすいそうだぞ」


「らしいね。投稿以外にもかなり便利な機能があってappでの評価もそこそこに高いよ」


「だったらなおさらカクヨムも実装するべきだろう!」


「だからなおさら投稿機能実装に慎重なんじゃないの?」


「なに!?」


「そりゃ僕ら以外のユーザーだって少なからず投稿機能の実装を望んでいるさ。僕みたいにメモ帳アプリで書いてコピペしてブラウザ開いてカクヨム投稿って人は多いと思うよ。今実際この手順書いてるだけでクッソかったるいわ!」


「うむ」


「でも運営側だってそこには気がついてると思うよ?」


「そうか?」


「ねえ木村さん。カクヨムの運営陣を舐めすぎてないかな?天下のカクヨム様だよ?僕らみたいなチンパンジーとは脳みそのできが違うんだよ。チンパンジーが思いつくことなら既に考えてらっしゃるでしょうよ」


「露骨なごますりアミーゴ!」


「構わない!そう思われても!だがきっと何かしらの理由があるんだよ。まあその明確な理由を知りたいって気持ちがないわけじゃない」


「そうだな。ユーザーとしてはなぜ投稿機能が実装されていないのか知りたいよな。それに果たしてアプリでの投稿機能は開発はしてるのか。してたら一体いつごろを目処にリリースされるのか。その辺りも知りたい」


「運営側に直接聞いてみたいけどユーザーミーティングに行くにはちょっとハードル高いしね」


「ダイレクトメール送るにしても、なんか逆鱗に触れてBANされても嫌だよな」


「されないと思うけどね 笑 まあでも、何しろ運営側までの距離が遠い」


「まあ、俺らチンパンユーザーからしたら神にも等しい存在ってことだな」


「そうだね。でも神に祈ることは民の特権でもあるよね?だとしたら僕らチンパンジーは神に投稿機能の実装を祈ることも許されてるわけだ」


「チンパンジーを民として神が認めてるかは謎だけどな」


「まあそう言わないで。底辺チンパンでもユーザーはユーザーだよ」


ですよね?



「しかし木村さんも唐突だよね」


「ん?何がだ?」


「いやさ、いきなり現れたと思ったらアプリの話なんかしちゃって」


「ああ。いや別になんてことはないんだがな。お前、ここ何日か災難続きだったろう」


「あ!そうだ思い出したよ!スマホはピルクルまみれで書いてた内容消えるし、PCは水浸しで煙が…アレ?そういえば僕、どうなったんだっけ?」


「なあアミーゴ。覚えておいてくれ。俺はお前の妄想親友イマジナリーフレンドだ。実在はしない。だがな、お前が困った時、俺はいつだって何があったってすぐに駆けつけるのさ」


「木村さん…」


「アミーゴ。忘れるな。お前は一人じゃねえ。泣きたい時はいつだってこの胸毛に飛び込んでこい」


「胸毛は嫌だ」


「胸毛を邪険にするんじゃねえ!」


「でも嫌だよ!」


「バーンナッコウ!!」


「ぴるくるーぅ!!」


「バカ野郎!胸毛をバカにすんな!昔からよく言うだろ?『閃きの神の胸毛は五、六本しか生えていない』って。閃きはいつお前の下にやってくるか分からねんだぞ!?」


「いや何それキモいよ。閃きうんぬんは分かるけど胸毛て?『幸運の女神は前髪が一本』じゃなくて?」


「いや、胸毛だ」


「だとしたら閃きなんか要らないよ!なに五、六本て?アバウト過ぎだよ」


「すぐ生えるからじゃないかな?」


「描写がキモいよ!もういいよ!」


胸毛フェチの方すみません




「ま、とにかく何が言いたいかっていうとだな。アミーゴ、俺はいつでもそばにいる。俺に会いたくなったらいつでもカクヨムを開いて文章を書き始めろ。いいな?」


「うん。そうだね」


「しかしな、そうは言ってもメモアプリをコピーしたり、ブラウザからいくのは最近は少し億劫だよな。だがアプリから投稿できたら今よりもっとこの出会いがスムーズになると思わないか?」


「なるほど、そこに繋がるか。確かにアプリだったらスムーズに木村さんに会いにこれるね」


「おうとも!そうこなくちゃ。さすがアミーゴだぜ」


「へへへ。そうそう何度もバーンナッコウを喰らうわけにもいかないからね」


「こいつぅ、生意気言いやがって」


「えへへ」


「うふふ」


なんだこれ。




「だからさアミーゴ。スマホが壊れてメモアプリがぶっ飛んだり。PCが水浸しでオシャカになったり。とにかく人生には困難がつきものだ」


「そうだね」


「そうした時に頼れる兄貴的存在か、もしくは便利で小説投稿機能や文章の保存機能、自動バックアップシステムがあるアプリがあれば人生はもっと豊かになるよな?」


「その通りだね」


「だがなアミーゴ。一番大切なことを覚えておいてくれ。スマホが壊れようがPCが水没しようが、元はと言えばお前が書いた文章だ。全てはお前の頭の中にある」


「思い出せるかは別だけどね」


「そうだな。だが産んだのはお前だ。俺もこの文章も。あの小説も。あの短編も」


「思ったより★がつかなかった」


「思ったよりついたのもある。いいか忘れるな。物語おれたちはいつだってお前の中さ。いつでも会いにこいよ。それじゃあ、俺はそろそろいくぜ」


「木村さん!?」



木村さんの顔がボヤけて、煙の様にすぅっと消えていった。僕は必死に手を伸ばしたが木村さんを掴むことができなかった。


「アディオス、アミーゴ」




僕「木村さん!?」


飛び起きると、知らない天井と大家のババアと外人の顔があった。


大家「あらー三文さんよかったわ。危うく事件になるとこだったわー」


ピヒョリレナリボリリーレン「ヨナッタ。フブキジュン。オマエヲユルシタ」


僕「あれ?僕?もしかして寝てた?」


大「そうよ。丸一日ね」


ピヒョ「アチラノ世界トンデイタ」


僕「そうか。僕、感電して死にかけていたんだ」


今思えばアレは死後の世界に行きかけていた僕を木村さんが救おうとしてくれたのかもしれない。もしくはエタりかけている作品をちゃんと終わらせろという木村さんからの注意かも。もしくは投稿機能をアプリに実装してくれという隠れたメッセージを最終的に感動的な雰囲気で誤魔化そうとした、僕自身の策略かもしれない。



コレをどれくらいの人が読んでくれるか分からない。読んでもらえても、どれくらい届いてるか分からない。ましてやコレが運営側に届くかどうか。なんの確証もない。


ではどうして僕はこんな企画を立ち上げ、こんな小説を書くのか。それは僕が書きたいから。思ったことを思いついた瞬間に留めておきたい。僕はいつもそう思っている。だからこそ、もっと鮮明に手軽に小説が書きたい。


その為に、カクヨムアプリに投稿機能を。



是非!



お願いしまーす!!!





※企画に参加してくださった皆様。本当にありがとうございました。描写はふざけておりますが、当人はいたって真面目です。皆さまの熱い想い、私の想いが運営様に届きますように。


ありがとうございました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕らがアプリで小説を書きたい億千の理由 三文士 @mibumi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ