終わりのない後悔の十字架を背負い続ける人生。へたなホラー映画よりぞっとします。本作の主人公は人生の途中で良識を取り戻したわけですが、物理的には手遅れだったことが文字通りの悲劇でした。そんな主人公に差し伸べられた赦面(しゃくめん)はお話の構造としても演出としても実に練り上げられた内容で、神様も中々に粋な計らいをするものだと感心しきりです。カクテルでいえばソルティドッグのようなお話でした。
素直にそう思えました。良いお話を読む機会を与えてくれた神様に感謝を。作者様にお礼を。
いい話である。
動物ものは珍しいと思っていましたが、これが可愛いですね。十姉妹というチョイスもとても個人的に好みで、小鳥からくる愛くるしさが想像できます。彼女の願いは、やがて来る終わりの始まり。でも、それが終わる時には心が満たされます。読みやすく、ほっこりとする物語です。
ありがちなストーリーだけど、ピーちゃんかわいいなと思って読み進みました。ところがですよ、どんぶりの底にもうひとつお楽しみが隠れていた、みたいなお得感のある逸品でした。