おまけ3 どうしても死にたい、という方へ

 この連載や、近況ノートなどに「どうしても死にたいんです」「死ぬつもりです」というような趣旨のコメントを下さる方がいます。


 実をいうと、私の友人の大事な方(Aさんとします)が自殺未遂をしたことがこの連載を始めた、きっかけでした。


 Aさんは車道に飛び込み、病院に担ぎ込まれました。そして、ベッドの上で意識をとりもどして直ぐに舌を噛みちぎったそうです。


 明確な自死の意思。しかし、悲しいかな、Aさんは死ねませんでした。

 この連載の頭書


 理由1 自殺未遂に終わった(死ねなかった、失敗した)とき、悲惨だから

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054886090291/episodes/1177354054886090396


 にも書きましたが、自殺しようとしても、完遂できる確率はそう高くはありません。


 Aさんを大事に思っている友人はそれはそれは辛そうでした。

 私は死にたいと願っているAさんのために、というより、大事な人に死なれそうになっている、ぼろぼろの友人(をはじめとしたAさんの関係者全て)に向けて、何か救いになるような言葉はかけられないか、と思い、この文章を書き始めたのでした。


 結果的に、この連載群は友人(と、Aさんの家族など)の心の慰めになっただけではなく、自分のためにもなりました。


 具体的に言うと、私の中で希死念慮がむくむくと膨れ上がったときの自殺予防弁として、この文章群たちは大変役立ってくれているのです。

「死にたい」で覆いつくされそうになる自分に冷や水をぶっかけてくれるといいますか、まあ、そのときそのときのコンディションで刺さる文章は微妙に異なるのですが、割と気持ちが底辺にある今現在は、繰り返しになりますが、理由1「自殺未遂に終わった(死ねなかった、失敗した)とき、悲惨だから(リンク略)」がいちばん心に刺さります。次点で


 理由3 一度だけ自殺未遂した私に犬のアンディが身を持って、教えてくれたから

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054886090291/episodes/1177354054886095554


 が、心にきます。


 理由2 自殺はイコール、殺人だから

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054886090291/episodes/1177354054886092174


 がいまいち、今現在(繰り返しますがこの文章を書いている今、現在です)ぐっと来ないのは、多分、今の自分を第三者的な視点、および、私を大切に思ってくれている人たちの視点から見る心の余裕がないせいだと思われます。


 そして、私はどちらかというと「死にたい」寄りの人間なので、「どうしても死にたいんです」と言われると、なまじ気持ちがわかる分、突き放すことが出来ません。

 ただ、理解してほしいのは、私にできるのは「わかるよ、その気持ち」と気休めを言ってあげることぐらいしか出来ない、ということです。


 もう一つ出来ることがあるとしたら、この連載をもう少しずつ更新することぐらいしか、今の私には思いつきません。

 そこから何をくみ取るのかは、本当に、この文章を読んでいる一人ひとり、によりけりだと思います。


 そして、相反するようですが、

 私は「死にたい」側寄りの人間であると同時に、

 友人のことがきっかけで、或いは「死にたいです」とコメントをされることで、

「死なれてしまうかもしれない」側寄りの人間にもなりました。


 だからこそ、言える言葉があるのかもしれないと思います。


 続きます。

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