タイトルに偽りなし! 読めばその意味に納得するだろう。

 普通にサラリーマンだった主人公が、自殺者に間違えられたことから暗殺者になる物語。
 表向きは探偵社の殺し屋にスカウトされた主人公は、他の様々な殺し屋たちと行動を共にするようになる。その暗殺者ネームは「マック(後に改名)」や「ミント」や「ダンゴムシ」……、とにかく変なネーミングセンス爆発といった具合。ちなみに、主人公は「アサシン」というそのまんまのネームとなる。多くの殺し屋が出てきて、キャラ被りせずに魅力的に描かれていたところに、作者様の力量が感じられる。
 主人公たちは依頼主から依頼を受け、調査し、殺しを執行する。その結果お金を得るのだが、主人公たちのお金の使い道に感動した。そして、「殺しの執行」という名目の裏には、人間らしい本当の「殺し」が隠されていて、これも良かった。
 何より、「殺し屋」という仕事と共に、主人公の家庭での父親としての顔や、夫としての顔が描かれているところに、この作品最大の魅力がある。主人公はまさか「会社員やめて、殺し屋になりました」とは言えず、他の仕事に就いているように家族には話していた。しかし、ここで衝撃の事実が判明する! 
 アクションあり、ミステリーありの人間ドラマだと思った。
 
 是非ご一読ください。

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