あとがきのようなもの

 まず、最初に、サマーフィル・ブルーフェーズはあの三話で打ち止めです。

 不甲斐ない。

 しかし、割と自分でも気に入った出来でして消さずに残すことにしました。

 なので、主人公の正体とか作中の意味不明な単語とか、そういう「設定」をここで、まとめて説明してしまおうかと思いまして、この「あとがきのようなもの」を書くことにしました。


 ネタバレ注意です。

 続きが出ないのに、何を、といった感じですが、

 一応、念のため。


 まず、作品の根幹となる設定、作中では一回しか言及のなかった。

 『PSES』について。

 これは略称でして、正式名称は

 『心因性空間侵食症』と言います。

 PSESは、この名前を英語で直訳したものを略したものです。

 直訳というのは、こう、英語力の無さが出て恥ずかしいので英語の正式名称の方は割愛します。別に重要ではないので。

 それで、このPSESですが、簡単に言ってしまえば

『精神に異常をきたすと、空間にも影響が出る』病気。

 という事になります。


 これは余談ですが

 設定的には「病気ではなく進化ではないか。なんていう学者もいる」のです。


 そして、物語の舞台。

 『群青町』および『群青学園』は、PSESの隔離場です。

 道徳の授業、心の豊かさというのは、詰まる所、精神安定という事だったのです。


 PSESの説明をもう少し。

 この病気には段階があります。

 グリーンフェーズ

 ・目立った変化は見られず、専用の装置でないと検知できない。

 イエローフェーズ

 ・ポルターガイスト現象のような、小規模の空間変異が起こる。

 オレンジフェーズ

 ・『空繰り』と呼ばれるロボットを出せるようになる。

 レッドフェーズ

 ・『空喰い』と呼ばれる、ブラックホールのように周りの空間を飲み込む怪物と化す。

 そして、作中では、その存在が議論されている最中の

 ブルーフェーズ

 ・空間だけでなく時間などを操り、世界を塗り替えてしまう。


 と、こんな感じです。

 タイトルのブルーフェーズはここから来ています。


 さて次は、主人公の記憶喪失の理由について。

 主人公は、元々、オレンジフェーズ、空繰りの力を使い、戦っていました。

 しかし、ある日、強大なレッドフェーズ、空喰いと相打ちになります。

 それが原因です。


 そして、その強大な空喰い、というのが、主人公の恋人であり。

 作中に出てきた『蒼島美恋』その人です。

 ちなみに美恋が幻のブルーフェーズでもあります。


 実は、美恋も記憶喪失なのです。

 それゆえ、恋人同士なのに出会っても二人は気づきませんでした。

 まあ『引寄手繰』という名前を付けるという急接近はするのですが。


 美恋は『深い絶望』により、強大な空喰いを出現させ。

 自分たちの家族や、住んでいる町を巻き込む『大消失』という事件を引き起こします。

 大消失の最中、手繰と相打ちになり記憶喪失になり、群青学園へと送られることになります。

 そこで強大な空喰いの力がブルーフェーズへと変化。

『永遠の夏』が群青町に訪れる。

 その後、同じく記憶喪失の手繰が送り込まれる。

 といった流れが、物語の始まりとなります。

 作中冒頭は、手繰と美恋の思い出ということになります。


 そしてですね、「深い絶望」という部分に、断筆の理由の一つがあります。

 それは、そもそもどういう理由であれば「町一つ消すのに納得のいくもの」になるか、という点です。

 余命宣告されたとか考えてました。

 重いですけど、仕方ないとも思えますが。

 しかし、それだとラストの展開はどうしようとなるのです。

 美恋がブルーフェーズの力を使うのを止めさせる。

 そういうラストにしたかったのですが、それだと美恋が死に向かうことになります。

 町一つ消してるのなら、因果応報かもしませんが、ちょっと救いがないなぁ、と思いまして。


 ちなみに、なぜ夏か、といえば。

 メタ的に言えば、自分が夏が好きだから。

 作中から見て言えば、美恋が「最も幸せだった時期」が「夏」だったから、ブルーフェーズで止めた時間や変化した空間も自然と夏になった。

 というわけです。


 でも、永遠の夏に留まるわけにはいかない。

 前に進まなければ、これは作中で、手繰が、岩樹に向かって、将来の夢、憧れの話をしているのを、まず最初の伏線、いや布石?として置いておいたのですが、続き書かないので無用の長物ですね。


 さて、話したいことは、全部話せた気もします。

 なんかイエローフェーズの異能力使いとの対峙や、同じオレンジフェーズとの対峙とか、鍵沢校長がブルーフェーズの力を利用しようとしているとか、実はおっちゃんが美恋の兄だとか、いろいろ、妄想ぐらいなら展開はあったのですが、まあストーリーには繋がりそうもなくといったところでして。

 随分と長文になってしまいました。

 まあ完全に自己満足なので、誰にも読まれていなくても、日記気分でもいいかなとも思いますが、もし最後まで読んでくれた方がいたら。


 本当にありがとうございます。

 お礼を言う事しか出来ませんが、とにかくありがとうございました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サマーフィル・ブルーフェーズ 亜未田久志 @abky-6102

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ