34.半分の月がのぼる空 感想

 『猫目狩り』で第4回電撃ゲーム小説大賞金賞を受賞し、1998年にデビューした橋本紡先生の作品です。(ちなみにこの時の大賞は『ブギーポップは笑わない』)


 この『半分の月がのぼる空』は2006年にアニメ化と実写ドラマ化されただけではなく、2010年には実写映画化もされています。


 また著書の橋本紡先生は、2015年に映画化された『流れ星が消えないうちに』など一般文芸も書かれており、『もうすぐ』で山本周五郎賞の候補になったりもしています。すごいですね。


◆タイトル『半分の月がのぼる空』

◆作者 橋本紡

◆イラスト 山本ケイジ

◆レーベル 電撃文庫

◆発売日 2003/10/25


◆感想


 この小説は一言で言うと「入院している女の子を病院から連れ出し思い出の山に連れていく」というお話で、大きな事件があったり派手なアクションがあるわけではありません。


 でも、心理描写が巧みで、スラスラと読みやすいんだけど、心の底をギュッと掴まれるような表現があったりして、気がついたら夢中で読んでいました。


 思春期ならではの心の迷い、親と子の葛藤、田舎の小さな町ならではの閉塞感、死と隣り合わせな病院という場所の空気、そしてボーイ・ミーツ・ガール。


 細やかな感情や葛藤が若者にも読みやすい文体で書かれている作品です。読んだことのない方は是非!





◇同じ年にデビュー

『ブギーポップは笑わない』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885969256/episodes/1177354054886238325


◇病弱で少し生意気な女の子がヒロイン

『ひとりぼっちのソユーズ』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880552117


◇本好きのヒロインといえば

『文学少女と死にたがりの道化』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885969256/episodes/1177354054886102157

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