最終話~夢の続き~

だみ:さて、これで『プラン>プロパティ』は完結したわけだけど……どうだったよ。


 セッションが終わってから、私とえるみんは感想会をしていた。

 彼女が「JK都築京香」の夢を見なければ、作られることのなかったシナリオだ。

 PLではなく見学者という立ち位置だったが、えるみんもまたプラプロを彩った仲間の一人でもある。

 だったら聞かない手はない、そう思ったのだ。


えるみん:すーっごい満足なのです! 最後まで京香ちゃんは好きな男子のために頑張ってたし!

だみ:そいつは良かった。それは夢の内容として話してもらってたからな。取り入れたいところだったんだ。


 でもさー? と首を傾げながら言い始める。なんか気に食わない部分でもあったのか。


えるみん:このセッションってさ、私にとっては夢の続きなんだよね。

だみ:珍しく分かりやすい言葉使ったな?

えるみん:いつもわかりやすいしー! でね、だからさー?

だみ:なんだ、感謝でもしてくれんのか。

えるみん:ううんー。もっと続きが見たいとです!


 あ”? 今完結したばっかりだろうよ。


えるみん:口わるいー。

だみ:声に出てたか……っていや、そうも言いたくなるでしょ。

えるみん:違うとよー。シナリオの続きが見たいんじゃなくってねー?


 シナリオの続き以外の、続きが見たい……? 疑問符しか浮かばない私に、この女はこう言ってのけた。


えるみん:裏話的なね、設定的なね、そういうのをもっと聞きたいのです!

だみ:……長くなるから明日でもいい?

えるみん:ヤダ。聞かせろー。


 はぁ、とひとつ溜息を吐きながら。私はどこか嬉しさを感じていた。

 だってそうだろう? えるみんはこう言ってくれたんだ。


 夢の結末を越えた、もっと先。夢の続きが見たいって。


えるみん:あ、でもやっぱり眠いから明日がいいー。

だみ:…………。


 そうだった、コイツはそういう奴だった。私の嬉しさを返せ。


だみ:まあ、いっか。

えるみん:そだよー。どうせいつでも話せるし、腐った縁だからへーきだよ。

だみ:腐れ縁のことだな? しかも使い方違うぞ。


 ふざけ合いながら、双子の夜は更けていく。でもどうせならコイツには視て欲しい。


 えるみん天然の頭で思い描く、『プラン>プロパティ』とも違う──夢の続きを。

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リプレイ『プラン>プロパティ』 だみ @DAMI

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