ディストピア類型「仕方ないディストピア」

「仕方ないディストピア」という類型について書いておきたい。

具体的に名前を出すと、やる夫スレの「男友達シリーズ」が該当する。


男友達シリーズでは、謎の原因で男性が極端に減った結果、男性を極度に縛り付ける政策が行われている世界での話である。

具体的に言えば、男性にはほとんど行動の自由や職業の自由がなく、更にその世界の男性にとってみれば非常に苦痛である精子の強制採取が行われている。


この世界はディストピアである。しかし、政府に責任があるかというとそうではない。自然がやったことなのだ。

つまりこれは、1984のようなものとは確実に異なる、「仕方ないディストピア」とでも命名されるべき類型である。

政府は誠実だ。透明性・平等性・民主性も維持されている。しかし、謎の原因により、いわば政府がその責めを受ける形で、圧政を繰り広げている。そして、国民も苦悩しながら納得し、それに付き合っている。


このようなタイプのディストピアはポストアポカリプス系や世界滅亡中の話に多い(男友達シリーズは後者だ)。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

素人ディストピア論 ダクト飯 @duct_and_rice

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ