深夜のラジオドラマを「観ている」ような、ちょっと不思議な短編集

普通に生活しているごく普通の人たちが織りなす、ちょっと不思議な日常ドラマ。そんな、普段ならどこかに埋もれてしまいそうなパーソナルなお話を、沿線ライター小清水くんが私たちに伝えてくれる短編集です。
各話にはちょっとした「仕掛け」があり、日常ドラマをそれだけで終わらせないスパイスになっています。

これまでファンタジーやSF要素の強い物語を発表されて来た作者さまですが、実はこの手のジャンルこそが作者さまの真骨頂ではないのかと、私は思ってしまいます。
これは間違いなく、作者さまのナチュラルな感性と観察眼が生み出した、珠玉の短編集です。

ところで私は、この短編集を深夜に読むようお勧めします。自分だけの時間になった時に、落ち着いてゆったりと。
そうすればきっと、自分だけが観ることのできる短編映像ドラマが目の前に繰り広げられるはず。
仕事に疲れた夜に明日に向けてのリフレッシュ。そんな気分でこの短編集を読んでほしいと思います。

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