豪炎

精霊使いであることは誰にもバラすな。


師匠である奏から1番最初に言われたことだ。

もしバレるようなことがあれば、その時は覚悟しろとも言われた。


しっかりと明言はしていなかったが、師匠の雰囲気や口調からおそらく死ぬことを覚悟しろということだとその時悟った。


だからこそ、正体を明かすことはできない。

では、この問いをどうかわすべきかを瞬時に頭をフル回転させて考えた。


「自分は...」


そう口に出した瞬間、ヴォイドからとてつもないほどの炎が吹き荒れた。


リーシャとの契約で炎への耐性がなければ、たちまち全身が大火傷するほどの火力だ。


弾は炎の爆風で吹き飛ばされる。

康太も立っているのがやっとだ。

爆風の中心であるヴォイドが立ち上がるのがかすかに見えた。


すると一瞬で爆風も爆炎も消え去った。

まるで凪のように、一瞬にして周りが静粛に包まれる。


「さて、第二ラウンドを始めようぜ」

不敵に笑みを浮かべるヴォイドの姿がそこにあった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

精霊使いと冠位の10人(グランドマスター) @Inao

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ