第2話

「ほんと。ありがとう」


とくちゃんはにっこり笑った。


鬼が数を数え始めた。


「じゃ、こっちに来て」


「うん」


僕はとくちゃんを、ずいぶん前から人が住んでいない廃墟に連れて行った。


「この中に隠れるの?」


「中に入るだけじゃ、すぐに見つかっちゃうよ」


「じゃどうするの?」


「とくちゃん、その中覗いてみてよ」


とくちゃんは言われるままに、庭の古井戸を覗き込んだ。


僕はとくちゃんを突き飛ばすと、井戸にふたをした。


木のふたでも僕には重かったが、なんとかふたをすることができた。


これでよし。


これでとくちゃんは鬼はもちろん、誰にも見つかることはないだろう。


ずっと。



        終

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かくれんぼ ツヨシ @kunkunkonkon

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