かくれんぼ
ツヨシ
第1話
「ねえねえ、またかくれんぼするって」
とくちゃんがまた僕にすがってきた。
とくちゃんはちょっととろい子で、なんでか知らないけど何かあるといつも僕に引っ付いてくるんだ。
正直、うざいんだけど。
とくちゃんは、かくれんぼをするのを嫌がっている。
それはとくちゃんがいつもすぐに見つかって、みんなにばかにされるからだ。
とにかく隠れ方がへたくそで、それって隠れる気があんの、といった隠れ方をするので、見つかっちゃうのは当然だ。
とろいだけではなくて、頭も悪いんだな。
「ねえねえ、どこに隠れよう」
「山はどう?」
「山はだめだよ」
近くに山があるけど、かくれんぼのときは山に入ってはいけないと言う決まりがある。
山は大きくて広いので探すのも難しいし、なにより奥に入って迷子になったら大変だからだ。
僕は考えた。
要するに見つからなければいいんだから。
「わかったよ。なんとかするよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます