かくれんぼ

ツヨシ

第1話

「ねえねえ、またかくれんぼするって」


とくちゃんがまた僕にすがってきた。


とくちゃんはちょっととろい子で、なんでか知らないけど何かあるといつも僕に引っ付いてくるんだ。


正直、うざいんだけど。


とくちゃんは、かくれんぼをするのを嫌がっている。


それはとくちゃんがいつもすぐに見つかって、みんなにばかにされるからだ。


とにかく隠れ方がへたくそで、それって隠れる気があんの、といった隠れ方をするので、見つかっちゃうのは当然だ。


とろいだけではなくて、頭も悪いんだな。


「ねえねえ、どこに隠れよう」


「山はどう?」


「山はだめだよ」


近くに山があるけど、かくれんぼのときは山に入ってはいけないと言う決まりがある。


山は大きくて広いので探すのも難しいし、なにより奥に入って迷子になったら大変だからだ。


僕は考えた。


要するに見つからなければいいんだから。


「わかったよ。なんとかするよ」

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