終始、優しさの漂う柔らかな作品という印象です。
主人公のジェシカをはじめ、『日記』の巻き起こす摩訶不思議を彼女とともに体験するゲスト的立場の人たち、そして彼らの物語に息づく者など、とにかく登場人物のほとんどが嫌味のない優しい心を持った人たちです。
黒幕は黒幕で徹頭徹尾ゲスいですし、その明確な対比が各々の立ち位置をとてもわかりやすくしてくれています。
最後にその正体が明かされはしますが、あくまでも『日記』という体をとったアイテムが主軸となる物語ということもあってか、ジェシカの語り調でつづられていく文章も読みやすく、スッと頭に入ってきました。
決して癒し系というわけではありません。
けれどホッコリとした読了感を味わえる、そんな素敵な作品でした。
こんにちは、サイドです。
一章の終わりまで読みましたので、感想を書かせていただきたいと思います。
ひとこと紹介に書かせていただいた通り、何よりの良いところは読みやすい点にあると思います。
ジェシーの一人称の書き方については、色々考え方があるとは思いますが、個人的には好きな表現方法だと感じました。
彼女自身の性格や考え方が伝わってきますし、何より、物事に対しての柔らかな感性を感じられました。
この書き方が苦手という方もいらっしゃるかとも思います。
そこは一長一短ですね。
ただ、そこが作者様の個性だと思うので、どんどん伸ばして行って欲しいと思います。
やっぱり本といえばわかりやすさや伝えやすさが一番大事、との言葉がありましたが、本当にその通りだと思いますし、作者様の創作に対する姿勢がよく感じられました。
一つの情報を十にも百にも受け取られる様にする書き方もあるかと思いますが、それはそれで難しいですよね。(笑
日記帳に関しては登場が早くて、興味を引かれました。
とんでもなく凶悪なアイテムではないかと思いますが、ここが冒険の始まりとなりそうですね。
トラップや細かな情景描写も丁寧にされていて、その光景をしっかりと想像する事も出来ました。
リアリティを感じさせる点においても、この書き方はとてもいいと思います。
ちょっと気になった点といえば、ジェシーとロランの詳しい容姿の描写がなかった所でしょうか。
意図的にあまり書かなかったんだろうなあ、と思いますが、あっても良かったかも、と。
いえ、ただ単に好みの話なのであまり気になさらずです。
この先についても、ゆっくりになるかとは思いますが、読ませていただきますので、宜しくお願い致します。