第4話 リタの朝


俺、中央区第2部隊作戦参謀 桜坂理太郎少佐は戦っていた。

今日仕事を休むか否か。


時刻は6時30分。目覚まし時計が3回目のアラームを鳴らしている。

発熱があるわけでも、感染症にかかったわけでもない。

ただ、なんとなく行きたくない。

仕事が忙しいわけでもない。

顔洗って、髭をそり、服に着替えて職場に向かうという行為のハードルが高すぎる。


ああ、足にまとわりつくタオルケットの心地良さ。

ずっと足にぐるぐるさせときたい、離れたくない。


そもそも俺ほど働くことに向いてない人間はいないと思う。最初に働き始めたときに、良く社会に絶望していたものだ。こんな体力・知力・コミュニケーションその他もろもろが平均値持ってなきゃ活動できない社会ってなんなんだ。平均値持ってないやつはメンタルから借金してなんとか生活する。既に俺のメンタル銀行の残高はマイナスだ。


あ、今のセリフは若手評論家っぽい。そうだ、評論家になろうか。適当に社会とか政治を批判してればいいんだろ。


ピピピピピピ!!


4回目のアラーム。つまり6時40分。家に7時10分までには出ないと間に合わない。

そろそろリミットが迫ってる…。


諸墨あたりに連絡すれば休み扱いにならないかな。「大佐―!リタが腹痛いから休むって!」「おおそうか。諸墨、帰りにリタの家によって様子見てきてくれ。」みたいに。

無理だ。学校じゃないもん。上司に連絡しなきゃならない。

電話いやだなあ。友達でも誰でも関係なく電話が嫌なんだよ。

もう何もかも嫌だ。


ピピピピピピ!!


5回目のアラーム。


仕事に行くか、電話をするか。


「…行くか。」


こうして結局毎朝、ギリギリの時間にドタバタしながら仕事へ向かう。

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RITAPOP リーキ @riiiiiki

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