第26話 水の匂い

ゆらゆらゆら

形のないカタチ

澱みのない流れは遥か遠く

天を塗りつぶすのは

色のない色、水色

無色透明な液体に

色をつけたのは誰

ならば私は匂いをつけましょう

彼の地ですすった一口の水

匂いのない匂いを

胸いっぱい吸い込んで

癒やされた心の生傷

水色の心、水色の私

ゆらゆらゆら

形のないワタシ

汚れのない心は遥か遠く

戻れやしない

ゆらゆらゆら

水が匂う

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

光へ 小杉匠 @cosgyshow

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る