部員が1人しかいなくて廃部寸前の文芸部。
悲しみにくれるヒロインの前に現れた、入部希望の美少女、否、美少年。
かくして、天使と見紛う彼を愛でるヒロインの幸せな日々が始まる……。
最後の一文のために、残りの全てがある。その構成がお見事。
最後まで読んだら、またそのキャラクターを頭において1から読み直したくなる。
そんなとろけるような、甘酸っぱくも感じるような微炭酸な短編です。
あと、美少年、雪ちゃんの描写が丁寧で色香があって素晴らしい。
ヒロインの視点からここまで詳細に書かれていることが、逆に彼女の彼への入れ込みようを表わしていて、読んでてニマニマできます。
さあて、カーペットをゴロゴロ転げまわる準備はいいかい! 雪ちゃんに魅了されるがいいさ!
文芸部の救世主、新入部員の雪ちゃんはとっても可憐な男の子。
今日も今日とて雪ちゃんの辛口批評をもらいつつ小説を書き続ける茜ですが、彼の毒舌もなんのその。小説を読んでいる時の雪ちゃんを鑑賞することこそ至高なのだから。
入部してきた時には雪ちゃんを女の子と間違えた茜ですが、自分に舞い込んで来た白雪姫の脚本の依頼に頭を悩ませてしまいます。
そんな茜を知ってか知らずか、ある日突然冷たくなった雪ちゃん。
急にどうしちゃったんだろう……!?
この年頃の男の子って、ぐんぐん背が伸びたり骨ばってきたり、日に日に成長していきますよね。
距離が近すぎて雪ちゃんの成長に気づかなかった茜とともに、物語のラストを彩る雪ちゃんのギャップにキュンキュン身悶えしてください!(笑)