塔の諸島の糸織り乙女 ~転生チートはないけど刺繍魔法でスローライフします!~

作者 渡来みずね

4,349

1,532人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

なんだろう、読んでてとても楽しい。
子供視点と大人の心、両方楽しめるというか。
とても懐かしいような子供たちの遊びや仕草などがてんこ盛りでとてもほっこりできるし、いい感じ。
一方でちょっと怖いと思うような世界観からくるちょっぴりビターな感じもいいアクセントです。
優しすぎず、厳しすぎず、いい感じです。
現時点で一気にナスの閑話まで読んでしまいました。
この作品に出合えて、とてもよかったです。
書籍版もあるようですので、そちらも見てみます。

★★★ Excellent!!!

スローライフを掲げていることからわかる通り特別な野望を持っているわけではないが、結果的に周りの出来事によって色々することになって結局スローライフには程遠い。むしろ狂ってるほどブラックになってる件
それなりに有能であるため、少しだけ、形式的に教えてやろうと思った人がガチで教えたくなって色々詰め込まれる事態が何回も起こるのが面白い
そしてできることが増えるからやりたいことが増えてさらにブラックへ…
まあ野望を持っていないとはいうものの、何か目標が見つかると周りを巻き込んでダム作って流れ変えてついでに水力発電するような暴走をしているのはご愛嬌

★★★ Excellent!!!

展開されていくストーリーに恋愛小説よりも心揺さぶられる、異世界ファンタジー

 こんな人におすすめ!
・世界設定がしっかりしているファンタジーが好き!
・元気いっぱいヒロインよりも賢いヒロインが好き!
・恋愛よりも陰謀!知略!
・ご都合主義より伏線回収が好き!
・物語の世界にどっぷりつかりたい!
・美味しそうな描写や情景を感じたい!

 異世界に転生した(なんだか裏設定の多い)スサーナがスローライフを目指すのですが、彼女をとりまく世界の理(ことわり)や前世etc...が平穏を阻みます。もはや冒険小説といっても過言ではないほど様々な事件に次々と巻き込まれ、これからなにが起こるのか、スサーナに平穏な日常(と恋愛)はもたらされるのか、続きが楽しみな作品です。
 同シリーズの小話もあります。なろうにも掲載。

 上橋菜穂子さんの『獣の奏者』『鹿の王』、荻原規子さんの『勾玉三部作』『RDG レッドデータガール』で育った私が今のところ唯一満足できた、とてもクオリティの高いファンタジーウェブ小説です。
 女性主人公の異世界転生ものを広く読んでいるつもりですが、キャラクター重視のご都合主義、シチュエーション萌えの作品が多く、世界設定は疎かになりがちで面白いけど何か物足りないマンネリを感じていました。
 この作品はカクヨム・なろう内に多くある異世界転生ファンタジーの中でも世界設定が細かく描かれています。食事や生活風景などの描写が的確で作品の空気感を味わうことが出来ると思います。

物語の展開:早いが描写を細かくされてるので駆け足な感じはしない。
文章:外国小説を良翻訳したような独特の読みやすさがある。

★★★ Excellent!!!

巻き込まれ系?むしろ、巻き込まれに行ってる系?
全然スローライフしてない(笑)
ハラハラ、ドキドキ、ほのぼの、しみじみ、あわあわ・・・
うん!面白い!続きがめちゃくちゃ気になる!
一気に読んでしまいました!更新が楽しみだなー!
是非とも、完結まで行って欲しい作品です。
切に願いますm(__)m

★★★ Excellent!!!

私は女主人公のファンタジー小説が好きなので、楽しく読ませていただきました。
女主人公の幼少期からの成長が楽しく、人間関係の変化や主人公を取り巻く環境が変化していくのが面白かったです。
私はレオくんが大好きなので、レオくんの初恋が実ればいいなと思いながら読み続けます。

★★★ Excellent!!!

チートは後半になるまでほぼ出てこないけど
スローライフは全くしない!むしろ徹夜上等の過労死ライフしている気がする…。

家業を手伝ってノンビリしようとしたら
どんどん社会的地位があがっていくけど、心の拠り所はどんどん減っていく。
幸福と不幸が入り交じる感覚がすごい。

★★★ Excellent!!!

王道の異世界転生成り上がり譚である。転生チート皆無の上に前世の知識も経験も何の役にも足しにもならぬ超過酷と云つて好い位の縛りプレイである。ヒロインは蛇のやうに賢く併し鳩のやうに素直でなければ此の異世界と云ふ中世的未開世界を生き延びる事は出来ない。ヒロインの頼みとするは只己れとデウスエクスマキナス神のみ。モブ中のモブからスタートした筈が如何なるピタゴラスイツチの働き具合であらうかレビユー時点で其処其処な所迄心ならずも辿り着いちやつたやうである。併し乍ら彼女は首尾一貫其の頭脳を以て謀略的世界を闘ひ抜くヴアルキリーであつてスローライフのスの字にすら辿り着けるとも思へない。ヒロインのキヤラ設定と物語の内部構造とやらがデウスエクスマキナス神にすら其れを許さないのであらう。レビユー時点で疲れ切つてゐるヒロインには塔の島嶼の糸織乙女のスローライフの癒しの日々のいつの日にか訪れん事をと切に願はずにはゐられない。

★★★ Excellent!!!

美形を脳内補完できる小説は皆好きなんです。
不思議で綺麗で華麗な背景も補完出来て、私文章真面目に読まない方なんですが、このお話いつも高い薄い水色の空と爽やかな風があるイメージで好きです。
すいません最近忙しくて読み返してないので 内容に関してうろ覚え、ごめんなさい。
一生待てるくらい大好きですが、よく考えたら私や作者様が平均寿命をまっとう出来る保証なんて何処にもないわけで、頑張って長生きしようと思いました。
作者様も元気にお過ごしください。

感想の方に書きたかったのですが解らなくて星が付けられるのでレビューしました。

★★★ Excellent!!!

主人公が聡明で欲がないんだけど、けっこう人たらしですよね。どんどん人脈が増えてどんどん
重要な人物になっていく。読んでてワクワクします!
たしかに恋愛は発展しないけど主人公を好きな人はけっこういて、良いですね!どの人も良い!
ダントツ第三塔さんですけど!!だっていつも守ってくれる!素敵です。
これからどうなっていくのかほんと早く続きが読みたいです。

★★★ Excellent!!!

めっちゃ面白いです!
最初は服飾店舗チート系スローライフのお話かと思いましたが全然違いました。
ひょんな事から様々な陰謀?事件?に巻き込まれ解決していくお話でしたが、本当に面白いです!!!
良い意味ですごく裏切られまして…読み始めたら止まらなくなり、最新話まで一気読みしちゃいましたw
魔術師さん推しとしては今後の展開が大変気になります!!

★★★ Excellent!!!

とにかく面白いです!
長編のお話ではありますが、次から次へと気になる展開続きで読むのを止められず、寝不足になります。
主人公が巻き込まれる事件や取り巻く環境の変化にはハラハラさせられますが、どんな時でもほっこりさせられる主人公のキャラクターに引き込まれます。
不動の保護者第一ポジションである魔術師さんとの関係がまた素敵で、これから二人の関係がどう変わっていくのか楽しみです!

★★★ Excellent!!!

スローライフと、わちゃわちゃと、次から次へとトラブルと。
トラブルメーカー・スサーナが行く!

舞台は秘密の詰まった島、貴族や王族の世界、学院。
世界を彩るスサーナ自身に眠る世界の根源にかかわる刺繍の魔法。
古代の遺跡やいくつもの塔に住む魔術師たち。 

陰謀あり、成り上がりあり、主人公に降りかかる困惑・難儀・騒動てんこもり。
しかしなぜか基本を流れるのはたしかにスローライフ。

とにかく主人公であるスサーナから目が離せない!!(いろんな意味で)
常に危なっかしい彼女は、彼女自身も周りの者にも、予想もしない方向へと転がっていきます。
この世界に生まれても遥か遠い、いつかの自分の記憶に縛られるスサーナ。
ー彼女はなにも望まない、自分自身のためにはー
自分のためにスサーナ自身が何かを望むとき、そこがこの物語の転換点になるのではないでしょうか。

話全体には多くの伏線がはられており、これからの展開にワクワクします。
個人的には刺繍の魔法がピックアップされるであろう鳥の民編や、古代遺跡に入るはめになったスサーナ!など想像でも楽しみです。
※この展開がくるかどうかはわかりませんが…

タイトルのスローライフに到着するまで先行きは遠そうですが、長い道のりにお付き合いできる予感に嬉しく、期待しています。

・・・ちなみに私の押しは、主人公の運命に非常に強くかかわっている魔術師の第三塔さんです!

★★★ Excellent!!!

とっても面白い。年相応の愛らしさと転生者らしい冷静さの混じり合いに違和感がなくてとても良かった。序盤の展開はスローライフらしくぽやぽやしてて読みやすく、物語が進むほどにシリアス方面が出て来つつも年相応の愛らしさで絶妙な面白さになるところが素晴らしい。文字数的にいつエタってもおかしくないのに毎回毎回新しい展開を繰り広げるシナリオの深さにも戦きます。更新速度の早さとシナリオ密度の濃さが釣り合わないですね(絶賛)。スローライフらしいこの世界で生きていると思わされるリアルな生活感と異世界転生モノらしいフィクションだからこそある空想物語感の案配が最高。主人公の女の子がとっても可愛かったです。こんなに良い物語を無料で読んでもいいのかしら?

★★★ Excellent!!!

異世界転生ものでバトル!というよりは、人間関係や世界を主人公スサーナちゃんと楽しんでいく感じの創作です。
章が進むにつれて、バトルやトラブルの規模も大きくなり、スサーナちゃんを見てハラハラすることも増えました。

恋愛…キュン要素は各所各所にちりばめてあるので、これからにすごく期待しています。
小さな頃から自分を見守っている美しい魔術師さん、頼りになる同じ一族らしき少年、自分に忠義を立ててくれる忠犬めいた用心棒的お兄さん、そして甘酸っぱい片想いをして応援されている王子様…誰とフラグが立つんだろう…誰と結ばれてもいいからスサーナちゃんは幸せになってください…

★★★ Excellent!!!

なんかもう、転生ものなのに、王道じゃなくて、本当にファンタジーしてて、つい読みふけってしまう。
結構重い環境なのに、スサーナはぽやっと大きくなっていくのが(本人的には不本意な評価だろうけど)たまらなく愛しい。
保護者と被保護者がそうでない愛しさに踏み込むきっかけの話が凄く切ない。こんな言葉で足りないくらい切ない。⠀←妄想まじり笑

男の子みんな虜で、天然タラシなとこもちょっといい。

作者様、どうかスサーナに幸せいっぱいあげてください!!

★★★ Excellent!!!

 「女の子が異世界転生を果たし、新たな世界で成り上がりをしながらチート魔術を使って美男子を魅了していく。」
 と、このように概要を書き出すとテンプレ小説にしか見えないにも関わらず、この作品は全くそんな感じがしない不思議な作品です。
 原因の一つは、主人公であるスサーナが(設定上理由があり)自身に頓着せず、一人称形式の物語とは思えないほど自分の事を考えない子供だからでしょう。
 他人や周囲や環境にとても敏感で、お節介が過ぎる主人公が様々なことに巻き込まれる話なのですが、本当に自分を大切にしない。。。
 そのため主人公に同調/共感することで物語を楽しむタイプの人は少し厳しいかもしれません。
 一方で親のような目線でハラハラしながら楽しむ自分のような人間には、スサーナと同じような俯瞰視点で楽しむことが出来ます。
 恋愛小説でも、テンプレ悪役令嬢でも、転生チートでも どれでもあり、どれでもない不思議な小説。大変おすすめです。

★★ Very Good!!

ストーリーは素敵でお話の内容もとても面白いです。ですが、主人公の魅力が今のところもうひとつ欠けているように感じました。

主人公が自分からどうしたいかどうなりたいかという目的意識が曖昧になってきて、最近は無駄にふわふわと受動的にしか行動出来ていないように思えます。

前世の事情や話の途中で知ってしまったあれこれでそうなってしまった理由はわかるのですが、第三者視点で物事を見過ぎているせいなのか自分のことを大事にしてくれません。主人公を怒ったり心配してくれている人へもう少し耳を傾けて真剣になって欲しいと読んでいてとても歯痒く感じる時があります。
もう少し嫌なことに強く怒ったり負の感情を外に出せるようになって欲しいですし、一生懸命生きて欲しい。

第三塔さんの助力もあり、今は(耐えられないから)ずっと見たくないものから無意識に目を逸らし続けている状態なんでしょうが、いつか問題と向き合って人間的に一皮剥ける時が来て主人公スサーナちゃんの魅力が一層輝く時を楽しみにしています。

キャラクター相互の思い合いがわかる絆のエピソードなど(主人公に一方的に色々してもらってるだけという印象がまだ拭えないミアちゃん側の話とか)そういった相手側の話などももっとあると嬉しいです。

Good!

端的に言うと、より上位カーストの女子グループに乗り換えていく話です。
上位カーストの女子に気に入られて、引き上げられるっていうことを繰り返す。成り上がりたいっていう意識があるわけではななく受動的です。
学校に通うあたりから、ちょっと構造に無理が出てきてる気がします。平民グループと貴族グループを行ったり来たりするところが気になります。

Good!

ストーリーは非常に面白いですし、文章も読みやすいです!
本当だったら、星の3つ!

面倒見が良くて、ちょっとお節介で、いつも笑顔でのりきる優しい主人公、スサーナちゃん大好きです!
ただ、スサーナちゃんの、あり方が痛々しい。
基本的に自分には価値がなく、友達や周りを助ける為に平気で命を投げ捨てる行動に出ます。
友達が自分の責任で自分で判断した行動なのに、私が「ああしていれば」とか「私のせいだ」とか勝手に背負っちゃいます。
自分は大人なのだという自負が友人を庇護認定するので、真実対等な友達がいません。
大人という自負があるにしては、自己管理がゆるゆるで、自分が死んだ際の責任が誰に問われるのか考え付かないあたり、社会人としては失格で、社畜系ともなんか違う気がします。

スサーナちゃんが好きな私からしたら、もっと自分を大切にして!と悔しいやら悲しいやらです。
好きだと思う人か、自分は無価値だと、簡単に命を投げ出すのは悔しいし悲しいです。
たぶん、スサーナちゃんの周りにもそういう人いると思うんだけどなぁ。
スサーナちゃんが簡単に自己犠牲しなくなるまでは星1つ。

★★ Very Good!!

なろう系ワードが多少出ますが、内実は世界観を膨らませたドファンタジーもので、おっとり巻き込まれ型少女の右往左往する姿が好ましい。恋愛要素はまだないな…。周りの人間が微妙に強くて将来設計通りにはいかなそう。アッという展開に期待してます。

★★★ Excellent!!!

ある時、国の内陸に住んでる人達からはマジヤベー認識されてる島に転生してしまう主人公。
その島は、実はめっちゃ便利で住み心地の良い所なのであったーーー

“転生チートができないほどに!”

主人公は前世の記憶を持ちながら歳相応に、時に大人な対応をしつつのびのび成長していく……のだが、ひょんなことからいっっつもトラブルに巻き込まれる。
回避しようとしても、一周回って結局トラブルの被害に。
そしてそれを心配して段々と保護者ポジションの人達が増えていって…。



これは登場人物みんなが生き生きとしていて、
文章もわかりやすく、
各話ごとに楽しく読むことができるとても良い作品です。
ほのぼの系が好きな人には絶対オススメですよ!

★★★ Excellent!!!

主人公のスサーナちゃんは異世界転生しちゃった22歳の記憶持ちの女の子。
すごく前向き、好奇心旺盛、世話焼きで、しっかりしてるつもりなのに鈍くて、抜けてて、本人は知らないだけで色々な秘密を抱えていそうなミステリアスな魅力もあり、子供らしい無邪気さと元大人の知識の織り成すアンバランスさ、子猫的な可愛さもありで、目が離せません。

そんな彼女ですが、割といろんな危機に晒されてますね。
本人が呑気なのと、周りに守られてたりで、深刻な感じは薄れてるのですが、さてさて、今後はどんな事件が待っているのでしょうか??

緩急、シリアスとコミカルのバランスが絶妙で、丁寧に描かれた世界が楽しめるオススメ作品です。

★★★ Excellent!!!

異世界転生物なのですが即座に無双せず(できない)、主人公が標準的な子供の育ち方をしていき、作中世界への理解を深めていく過程が丁寧です。この世界で暮らしてみたいと思うほどディテールが素敵です。
主人公の知識と作中世界の常識とのズレが時にチートにも、また逆に危機を招くのにも働くだけでなく、作中世界の小道具をよりイメージしやすくする描写に一役買っていて上手いなーと感心しています。
作中ヒロインがモノローグに出す「ゲド戦記」「ダウントン・アビー」の他にも「大草原の小さな家」「赤毛のアン」が好きな人にはオススメです。バリバリバトルしたり一攫千金の異世界もいいですが、スローライフならコレです。

★★★ Excellent!!!

世界観とキャラクターの描写が丁寧で読者を惹き込んで行く魅力があります。
我が道を行く作家さんは世の中多いと思いますが、やはり読者がいるという事を忘れてはいけないと再確認しました。
最初からキャラクターがガンガン進めていったり、何もかも明らかにしていくような作風ではなく、ゆっくりと丁寧に積み上げていく物語です。
わたしはこういうスロースタートな作風が好きなんですよね。

作品単体でなら転生チート主人公がガンガン薙ぎ払う爽快な作品も好きな物はありますが、作風としては最初からインパクト重視で攻めるわけでなく、この『塔の諸島の糸織り乙女』のように大切に積み上げていくものを応援したいです。

商業作品であれば最初から売れる作品が重視されるでしょうけれども、小説投稿サイトであれば積み上げたものの完成度の高さで評価されて欲しいと思います。

そんなわけで、もっと先が知りたい!完結まで応援しています♪

★★★ Excellent!!!

めっちゃ読みやすいです。文章がよみやすいということは文章構成が巧みで、描写を的確に絞っていて、いかに読者を作品世界に引き込もうか?と練られた文章です。序章にいくつもの読者を引き込むためのフックがあって、あれよあれよと作品世界へ誘われ、一話がすごく短いのですらすら読めていきます。

世界観もすごくこだわりを感じ、主人公の唯一のチートである刺繍が世界の秘部と密接に関わってきてこれからがすごく楽しみです

★★★ Excellent!!!

大人のために、大人の書き手が子供を書くと、子供がちょっと大人びるのはふつうのこと。

誰かが考える異世界は、今その人がいる場所を基点として構築されるのだから、現代日本が垣間見えるのは普通のこと。

それを避けられないならとをいっそ舞台設定として取り込んだ転生物ですが、それによってできるようになった横紙やぶりをしないために、かえって描かれる世界に重層感が生まれています。

夜の花の香や市場の食べ物、ただの子分ではない友人と家人。子供の視点から見えるものが、周到に張り巡らされた伏線に導かれながら躍動します。

伏線はいつか表に出るのでしょうか。水脈は地表に出ないからこそ持てる価値もある、としてこのまま進むのでしょうか。

先が気になりつつも、好きな散歩道に足が逸れるように、もう一度読み返してしまう、そんな小説です。

★★★ Excellent!!!

ちいさくて少し利口な女の子が色々な人と出会って自分のやりたいことを見つけていく、というかなり王道な物語です。
チートもスキルもモテモテも無いですが、スサーナから見える世界は、全てが輝いていて新鮮で、時々世知辛さを噛みしめながら両足で恐る恐る歩いていく様は、彼女と手を繋いでこの世界を歩いているようです。
所謂「異世界転生モノ」がもつサクサク感は皆無ですが、子供のうちは何をするにも大冒険であることを思い出させてくれる話です。

読んでください。