夢から覚めないで 焼き餅なら冷めないで

最初大丈夫か?!ってくらいふわふわというかポンコツとした主人公で眺めてると微笑ましくなる感じなんですが中盤から急にポップアップしてくる現実圧が凄まじくて凄まじいんだけど確かに説得力が凄くて、いや薄々何かしらダークマターの存在は認識してたけどいやそんな…ちょ…待っ…お慈悲を…たすけてぇぇぇぇぇぇってなるんですけどラストはきちんとどうにかしてくれるお話しです。

何しろ途中の現実圧が凄まじい。語り手のふわふわとした現実感の無さが逆にその生々しさを逆に浮き彫りにしているというか…

個人的にとても刺さったのが自分をポンコツだと認識してる人の哀しみみたいなのがじんわりと広がってくるところです。多分作者さんはどこまで生々しく描いても露悪的にはならないんだと思います。そしてそのバランスは作者さんの人間性によるところだと思えて、そこにすごい共感してしまいます。

最後のハッピーエンドは見ようによっては荒唐無稽なんですけど取ってつけたというより作者さん決死の全力の回し蹴りを現実に叩き込んだという方がしっくり来る気がします。だってこのくらいやったっていいじゃん!創作だもん!うん!最高!もっとやって!!!ってなる。

とにかく最高でした…!!!

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