デブリビジネス

 川崎重工(KHI)が、各務原にスペースデブリ(宇宙ゴミ)除去衛星のための地上局を設置したと発表しました。2020年には実証衛星を打ち上げる予定です。

 スペースデブリについては、このコラムでも取り上げたことがあります。


スペースデブリと墓場軌道

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885557884/episodes/1177354054885569829

ケスラーシンドローム

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885557884/episodes/1177354054885570445


 実証衛星では、画像センサーでスペースデブリを捉え、近づいてアームで捕捉する実証試験が行われます。こう書くと簡単なようにも思えますが、宇宙空間では画像だけで相手との距離を正しく計測することは難しく(比較対象物がないから)、近づくいて並行した軌道に乗ることも難しいことです。ランデブー技術に関しては、JAXAが技術衛星7号(おりひめ・ひこぼし)で試験に成功しています。


 KHIは、2025年にはスペースデブリ除去を事業化するとしています。デブリ除去を仕事に、といえば「プラテネス」ですねぇ。あれは人類が宇宙にだいぶ進出してからのお話でしたが、現実問題として現時点で採算の取れるビジネスになるのか、少し不安ですね。初期は国からの受注になるのかなぁ。それともヴァージンのような宇宙観光ビジネス企業相手に、リスクを軽減させるためにデブリを除去することに?

 わざわざパラボラアンテナを含む地上局を設置するということに、KHIの本気度が感じられます。ただ、(投入する衛星軌道にもよりますが)一カ所の地上局で二十四時間衛星をフォローすることは困難なので、海外の衛生管理施設と連携するか、自前で地上局を作ることになるでしょうね。

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