スペースデブリと墓場軌道

 最初の人工衛星を飛ばしてから今日まで、人類は地球周回軌道に大小さまざまな人工物をまき散らせています。こうした物体を「スペースデブリ」(宇宙ゴミ)と呼びます。ちなみに、NASAでは軌道上にあるデブリを「オービタルデブリ」と呼称しています。


 天球一号は、制御不能になった後、地球に再突入しましたが、これはまだマシな方なのかも知れません。人工衛星の中には、制御不能のまま飛びつつけているものもあります。さらに厄介なのが小さな部品──たとえばネジとか──で、小さいものほど検知が難しく、小さくても相対速度が大きければ危険です。こうしたデブリを避けるために、ISSが軌道変更したこともあります。


 2007年には、中国のミサイルによる衛星攻撃実験で、破壊された衛星の破片がデブリに。2009年には、使用されていなかったロシアの衛星とイリジウム衛星が衝突し、無数のデブリが発生しました。ISSで、ゴミを「こうのとり」の様な補給線に詰め込んで、大気圏に再突入させることで燃やすのは、デブリを発生させないという側面もあります。

 スペースデブリを発生させないため、耐用年数が過ぎた人工衛星は、大気圏に再突入させて燃やすか、墓場軌道(あるいは廃棄軌道)と呼ばれる高い軌道に移動します。

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