ケスラーシンドローム

 スペースデブリは、宇宙関係者の中では非常に大きな問題になっています。少なくとも日米欧の宇宙機関では、デブリを極力出さない方向で努力をしています。ISSで、ゴミを「こうのとり」の様な補給線に詰め込んで、大気圏に再突入させることで燃やすのは、デブリを発生させないという側面もあります。


 このままスペースデブリが増加していくと、どんなことになるのでしょうか。NASAの研究者、ドナルド・ケスラーら研究チームは、スペースデブリが増加した場合のコンピューターシミュレーションを行いました。その結果、デブリが増加すると、デブリの衝突によって破壊された人工衛星の破片が、別の人工衛星に衝突し破壊、さらにその破片が別の衛星に衝突し、次々と衛星を破壊していくという連鎖反応チェーンリアクションが起きるようになると予測しました。これをケスラーシンドロームと呼びます。

 ケスラーシンドロームが発生してしまうと、デブリの雲が地球を取り囲むようになり、人類の宇宙進出を阻害することになるでしょう。

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