落ちこぼれの少年は無意識に秘めたる力を覚醒させる
@nokuto
プロローグ 秘めたる力
「なあ、さっさと金になる物ださねえとお子さん殺すぞ?」
「お母さん・・・」
「大丈夫、大丈夫だから・・・」
その強盗犯は少年に刃物を向けながら、少年の母親を脅迫していた。
早く金になる物を出さなければ、この子供を殺すと。
「さっさとしろや!」
「きゃあっ!」
強盗犯はイラついたのか、少年の母親を蹴り飛ばし、倒れた少年の母親の首を掴んだ。
「がっ、はっ・・・!」
「やめて!お母さんをいじめないで!」
強盗犯は少年の母親の首を強く締めた。
少年の母親はとても苦しそうにもがいている。
「ラトス・・・逃げて・・・」
首が絞められ、呼吸が出来ない状況になっている。
何度も抗うが、女性が大人の男性に敵うはずもない。
その少年の母親は、死を覚悟した。
でも、せめて子供だけは・・・・・・
しかしその瞬間、
「お母さんを虐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
「ぐはっ!?」
ラトスの大声とともに、強盗犯が勢いよく吹き飛んだ。
そして、ラトスを謎の光が包み込む。
それは、とても温かく、とても優しい光。
「ラトス・・・あなた、その眼・・・」
彼の眼は、普段のブルーアイではなかった。
その眼は、黒い六芒星の眼をしていた。
「絶対に許さない・・・!」
その日、一人の男性・・・いや、強盗犯は道端に倒れていた。
加えて、片腕と片足を失った状態で見つかったという・・・
―――――――――――――――――
<<10年後>>
「ラトス!はやく学校にいきなさい!今日は実技と筆記の試験があるでしょう!」
「別に行かなくたって、どうせ最下位じゃん。行く意味ないよ」
「バカな事言ってないで、早くいきなさい!」
今日は学校で魔法学校の試験がある日らしい。
しかしラトスは常に学年最下位。稀にみる弱者。
故にラトス自身もこのテンション。
「んじゃ、行ってきまーす」
「行ってらっしゃい。テスト頑張ってね」
「へーい」
そういってラクスは家を出ていった。
落ちこぼれの少年は無意識に秘めたる力を覚醒させる @nokuto
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