バカとは彼女のことをいう

咲間 さな

バカとは彼女のことをいう

声劇台本

〝バカとは彼女のことをいう〟





♂: ♀=1:1



宮島 藍(みやじま あおい) ♀

高校二年生、玲とは幼馴染。少し頭がcrazyなのだが何故か生徒会長をしている。性格はただのバカ、言い換えれば天才。天真爛漫な女の子。



高橋 玲(たかはし れい) ♂

高校二年生、藍とは幼馴染。常識人で藍のツッコミ担当。藍に対してドS。しかし優しい一面もある。誰からも頼られるような男の子。




【ごく普通の日常会話からはじまる、王道で邪道なラブコメストーリー】


※注意事項

・《》は藍が物語を読んでいるセリフです

・また『』は物語中のセリフです

・【】は場面転換です、読まなくても大丈夫です





ここから始まります↓




【教室】



藍「おはよう!」


玲「ああ、藍か。おはよ」


藍「ねぇ、あの課題やってきた?」


玲「やってねぇーよ。」


藍「いや、やれよぉ~!何サラッと反抗期してるのよぉ~」


玲「今日は一段とうざいな藍」


藍「いやーそれほ…ウザイとかやめてよなくよ?」


玲「なんだお前はあの課題できたのかよ。」


藍「できた!!いやぁー高校入って初めて課題というものをしたよ!」


玲「さっき散々俺の事言ってたけどお前の方が傍から見たら問題児だからな?高校2年間分の内申点ないからなお前」


藍「内申なんてないしーん!」


玲「やっべ、殴りてー」


藍「んで!聞いて下されよー!すんごくいい出来なんですよミーの課題!」


玲「なんだ聞いてやるよ、確か課題の内容、子供向けの絵本を作ってくるってやつだったな」


藍「そう!家庭科の先生にマジ感謝だわぁ!私でもできる課題を出してくれたんだからね!そして、これがその絵本!」


玲「おお!表紙はすごくそれっぽいなぁ」


藍「でしょでしょ~じゃあ、よみあげまーす!」


玲「読むのかよ」


藍「《むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんと》」


玲「おう、なんだ最初は案外普通だなぁ」


藍「《宇宙人ボブが住んでいました》」


玲「おいぃー!!何ナチュラルに宇宙人と同居してんだ老人ども!!」


藍「ちょっと!おじいさんとおばあさんを老人だなんて子供向けの言い方じゃないよ!」


玲「もうつっこまねぇ。お前のことだからそんなことだろうと思ったよ」


藍「《おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に、宇宙人ボブは海へビーチフラッグをしに行きました。》」


玲「働いてくれよ頼むから、浜辺で遊んじゃってるよ」


藍「《ボブは、海に来てあることに気がつきショックを受けてしまいました》」


玲「は?なんだよ。あーどうせあれだろ、宇宙とは違うーみたいな事だろ」


藍「《フラッグを忘れてしまったのです》」


玲「準備しとけよぉ~!それに旗なくても他に代用できるだろう」


藍「《ボブは、しょんぼりとして家に帰ることにしました》」


玲「おう、もう帰ってちゃんと仕事しろよな」


藍「《しかし、帰ろうとするボブに悪ガキたちが立ちはだかります。『お前いつもビーチフラッグしてる野郎だろ!なんかいつもいるからイライラしてたんだよなぁ、お前のフラッグ、ぶんどってやる!』》」


玲「ボブ、お前いつもビーチフラッグしてたのかよ暇かよ。っておい悪ガキお前むかしむかしの奴らだろ?!横文字バンバン使ってんじゃねーよ!」


藍「もう、玲、そこは『なんで宇宙人なことツッコまないんだよ!』でしょ~!」


玲「分かってんなら書くなよムカつくなぁ。」


藍「《ボブは、フラッグを忘れてきていたために悪ガキたちにフルボッコにされてしまいました。『僕はただ、みんなと楽しくビーチフラッグしたかっただけなのに』》」


玲「ボブぅー!!!!!!!!!」


藍「もう!うるさいなぁ!読むたび読むたびにツッこまれてたら話し進まないよぉー!」


玲「そんなものを読むからだろうが!!!世界観が全く掴めないんだよ!」


藍「ええ!こっからがおもしろいのに」


玲「じゃあ、最後どうなるんだよ」


藍「その悪ガキはボブと結婚する」


玲「…そんなもの…全国の腐女子に捧げてしまえっ!!!」


藍「カップリングはボブガキかぁ、あっでもガキボブでもいいなぁ」


玲「どっちが攻めで受けでも嫌だわ、それにお前この絵!」


藍「え?何か問題ある?」


玲「このもやしみたいなちっちゃいのはなんだ」


藍「おじいさん」


玲「じゃあ、このもやしみたいなのはなんだ」


藍「おばあさん」


玲「じゃあ、このもやしのような面影の細いのはなんだ」


藍「ボブ」


玲「描き分けろよぉー!!!!おじいさんとおばあさんはいいよ、うん、認めてあげるよ。でもな、ボブは違うだろー!!」


藍「え?」


玲「宇宙人も同じように書くなぁ!」


藍「ええー?」


玲「最初にして最後のお前の課題がこんなの俺は絶対認めない」


藍「あ!先生きた!課題出さなきゃ!」


玲「ふんっ!(窓から外に本を投げ捨てる)」


藍「ああ!!!!私のマイブックぅー!!!!!」




【放課後】




藍「あれーないよー、どこやったぁ?」


玲「藍どうした、ブリッチなんかして」


藍「探しものだよぉ」


玲「どんな格好でやってんだよ」


藍「おかしいなぁ、カバンに入れておいたはずなんだけど」


玲「何を失くしたんだよ、俺も探してやるから」


藍「いい!!!自分で探す!!!」


玲「なんだよ、ほんと今日テンションおかしいぞお前」


藍「今日は双子座1位だったのに!ついてない!!!」


玲「朝のあのウザさはそのせいか」


藍「んあ!もうこんな時間じゃん!委員会始まっちゃう!」


玲「そういえばお前、生徒会長だもんな。」


藍「おうともよ!」


玲「内申点が皆無のお前がよく生徒会長になれたよな」


藍「内申点がないから頑張ってんだよ!」


玲「クズだな。まあ、お前以外立候補しなかったこの学年も終わってんな。」


藍「選挙の日の前日に実はひとり立候補者1人潰しといた」


玲「おいっ、何やってんだお前は、こわっ!」


藍「じゃあ、私委員会だから!玲は先に帰ってて!!」


玲「おう」


藍「あ!それから!捜し物しちゃダメだからね!私が探すから!!」


玲「はいはい」



【委員会中】



藍「では次の議題!明後日の林間合宿でのレクリエーションの件なんですけど!急遽私から変更点があります!!」





【校庭】



玲「あれ、これ今朝窓から落とした藍の自作本か。誰かに拾われても拾ったヤツが可哀想だし、俺が持って帰るか。…明日藍に渡せばいいし」



【玲 自宅】



玲「はぁ、今日も疲れたぁ。藍が隣の席になってからますます疲れがたまる。…あれ、藍から電話だ。もしもし―」


藍「あ!玲!あのさ!あれ!あの!あれ!!!」


玲「なんだよ、一旦落ち着け」


藍「あの本知らない??ほら、玲が窓から落とした本!校庭探しても見つかんなくて」


玲「ああ、それなら俺が持ち帰ったぞ、明日お前に―」


藍「(遮って)えええ!!アンタが持ち帰ったの?!ちょ!!え!!!じゃあ、あの、あれ、あの」


玲「なんだよ、だから明日渡すって、何焦ってんだよ」


藍「すぐ行く」


玲「は?」


藍「今から行くから」


玲「って!おい!今からって!(電話が切れる)…切れたし」






藍「れーーーーい!!!!」


玲「ばっか!うっせーよ!もう夜だぞ!」


藍「はやく!早く持ってきて!!!本!」




玲「ほらよ」


藍「あ、ありがとう」


玲「そんな焦んなくてもいいだろ、なんで今日もう夜遅いのに」


藍「み!みてないよね…」


玲「は?見るわけないだろこんな気味悪い絵本」


藍「…気味悪いとは失礼だろう!玲くんよ!!」


玲「はいはい、ところで捜し物は見つかったのか?」


藍「…みつかった!!!」


玲「そうか、良かったな。」


藍「うん」


玲「そんじゃ、また明日な」


藍「うん。また明日!」





【林間合宿】





藍「林間合宿だぁぁぁぁー!!!!!」


玲「うるせーぞ」


藍「いやぁー!お泊まりというのはワクワクじゃのー!」


玲「…ていうかなんでお前バスの座席まで隣なんだよ」


藍「えー?私じゃ嫌なのかい?」


玲「嫌だね、うるさいし」


藍「えー!!酷いなぁ!せっかく無理やり田中くんに変わってもらったのにー!」


玲「無理矢理?!お前ほんとえげつないなぁ、そんなに俺が好きかよ」


藍「……チッチッチッ!自惚れておるなぁ。だって、玲は私の好きな梅干しグミくれるもん!私が好きなのは玲ではない、梅干しグミだ!」


玲「へいへい。ほら、御所望の梅干しグミだよ」


藍「わーい!」


玲「(少し笑う)」


藍「ん?なに?」


玲「いや、なんでもないよ、バカ娘」


藍「えーなにさなにさー」


玲「…楽しい林間合宿になりそうだな」


藍「…うん!すっごく楽しくなるよ!…一生忘れられない思い出になるよ」


玲「そうだな!」




玲「おい、藍起きろ、着いたぞ」


藍「んん……はっ!カレー作りじゃあ!」


玲「おう、お待ちかねのカレー作りな」


藍「って!みんなもう準備始めてる!!」


玲「お前が起きるのおそすぎるんだよ」


藍「よいしょっと!私の係は、食材の皮むき!」


玲「あ、俺もだ」


藍「よし、玲。どっちが早く食材を剥き終わるか競走だ!」


玲「おいおい、そんなに慌てたら」


藍「大丈夫大丈夫!ふんふふーん♪…っ!いったっ!」


玲「ほら、だから言ったろ?」


藍「いや!これくらい!平気!舐めておけば」


玲「ダメだ、こっち来い」


藍「えっ!…だ、大丈夫だって」


玲「ほら、消毒と絆創膏してやるから、座れ」


藍「う、うん。」


玲「ほんとお前は昔からうるさいし危なっかしいし」


藍「…」


玲「心配かけるし、調子乗るし、うるさいし」


藍「…」


玲「ん?どした?」


藍「…えっ!ううん!なんでもないぜ!!はっはっは!!」


玲「何でもないことないだろ、お前が言われっぱなしって」


藍「えっ?!お、おう!そうだな!今から言い返してやるよ!」


玲「悪口言うのに前振りするのかよ」


藍「お前はなぁ!すぐツッコむし、世話焼きだし!」


玲「つっこまれるようなこと言ってるからだろ」


藍「ドSだし、性格おかんだし、」


玲「おかん言うな」


藍「それから…それから!急に優しくするし!」


玲「いいことじゃねーか」


藍「そんで、ずるいし!」


玲「は?ずるいことしたか?どちらかというとお前の方が」


藍「ずるいし…ずるいし!すっごくずるいし!!!」


玲「それしかねーのかよ」


藍「玲ばっかり。」


玲「…は?」


藍「ほら!!!いつまでこうしてるの!カレー作るぞ!カレー!!カレイのカレーはかれーぞー!つって!」


玲「寒っ」


藍「うるせっ!!」






【レクリエーション】



藍「さぁ!皆の者!お待ちかねのレクリエーションの時間だ!!存分に楽しむがいい!!最後にはとっておきのサプライズも用意しているから、乞うご期待!!では、レクリエーション委員のみんな!よろしくぅー!!」





A「ねえ、高橋くん」


玲「ん?なんだ?」


A「これ、高橋くんに渡してって」


玲「あ?なんだこの手紙。これ誰から?」


A「あ!えーと、じゃあ、私レクリエーションの準備行かなきゃ!じゃね!」


玲「なんだあいつ、誰からの手紙だよ。送り主の名前なしかよ。……展望台で待つ…。時刻20:00…レクリエーションの最後か?」






【サプライズ】


玲「展望台。すげー星の光だけで山ん中見渡せるなぁ。」


(その瞬間花火があがる)


玲「っ!!…あのサプライズって花火をあげるってことだったのか」


(«レイ スキ»という字の花火があがる)


玲「…っ!レイ…スキ…ってまさか」


藍「やっほ」


玲「藍…」


藍「…すっごい綺麗な花火でしょ!!!」


玲「お前、あの花火―」


藍「玲」


玲「…っ」


藍「私は玲が好きだ。」


玲「…俺は」


藍「でも!!これが私のゴールじゃないぞ!!」


玲「ゴール?」


藍「お前に好きになってもらう!!」


玲「…はぁ?」


藍「俺たちの戦いはこれからだ」


玲「……ぷっ、あははははっ!!」


藍「…へへへ!」


玲「ほんと、理解不能だわ」


藍「理解されてたまるもんかぁ!!!」


玲「…ていうか、よく準備できたな、花火」


藍「うん!このために生徒会長になった!」


玲「そうかそうか。…………は?」


藍「もう1人の立候補者に宣戦布告しに行ったらあっさり引き下がってくれたよー!いやーよかったよかった!」


玲「ちょ、お前…は?」


藍「生徒会長になれば、学校行事を私物化できるってきいて!」


玲「日本語を喋ってほしい切実に」


藍「ここまですれば玲も心動いてくれるはずだってね!」


玲「それもう、ストーカーの域だぞ」


藍「だから玲!」


玲「お、おう」


藍「大好き!!」


玲「…はいはい(笑いながら)」


藍「私、女の子が欲しいからね!」


玲「ちょっと黙ってろバカ娘」




fin




《あとがき》

ご利用いただきありがとうございます!

荒削りな内容となってしまっていますが、ご了承くださいませ。作者もバカという部類の頭のおかしい人なのですみません。

またご利用いただけたら幸いです。ありがとうございました!

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バカとは彼女のことをいう 咲間 さな @sasakimana

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