1

柔らかな風が額に感じる

豊かな自然の匂い

芝生の上で寝たような感覚を覚える

近くで動物の声もする

どういうわけか加工された木の独特の匂いまでした。

目を開けた、太陽を直視し素早く目を閉じ

顔を横に向けゆっくりと目を開ける

視界に飛び込んできたのは

感動するほど美しい広大な草原と森だった

視点を左へ変えると先ほどの匂いの正体を知る

丸太作りのログハウス

とりあえずその家のドアをノックする

返事はない鍵も開いている

「ごめんくださぁあい」

と控えめにドアを開け言ってみる

返事はなし…と目の前に置かれている

一通の手紙に気がついた


霧谷桐直様へ

この家はあなた様のものです

できる限り元いたあなたの家を再現してみました

どうでしょうか?

外見は変わっていますが内装は変わっていないと思います

流石に細かい傷は再現出来ませんでしたが…

家具もそのままですよ。あなた好みに変えてみました

返信は近くの小屋に代筆者が住んでおりますので

わからないことは彼女に聞いてください

ある程度のことは彼女がしてくれます

まあ、メイドみたいな感じです

基本的にはお願いを聞いてくれます

全てはあなた次第です

この世界をあなたの心浮くまで楽しんでください


死後の世界の女神より


なるほどそういうシステムか…

案外としっかりしてんな


「さてと、ほんじゃ、まあ楽しんでいきますか!」


1 初めての村

転生したのは昨日の昼

今は翌日の早朝、日が昇ってすぐの時間だ

少し瞼が重いが朝の光と風を浴びて

気持ちよく目を覚ます

「さて、そろそろいきますか…」

ちょっと冒険に行こうと思います。

といっても近くに村がないか探すだけですが

その前に…一つ行く場所があります。

コンコンコンッと小屋の扉をノックします

「はい」

と短い返事のきっかり3秒後扉が開く

「お待ちしてましたトウマさん

貴方のお世話係を務めるシーナと申します

何か御用があればなんなりと、

それでは中へどうぞ」

シーナは僕を中に招き椅子に座らせた

意外と中は広く

ダイニングテーブルと椅子が4脚

デスクとチェアが一つずつにキッチンと棚

隣には部屋がありトイレとバスルームがある

1DKの個室のトイレとお風呂という感じだ

「おじゃまします…」

シーナは手早く紅茶を注ぎ僕の前に置く

「温かいうちに…どうぞ」

「ありがとうございます…」

差し出された紅茶を一口飲み一息つく

そして、向かい側に座ったシーナも同じ動作を

したところで本題に入る

「初めまして、シーナさん

名前は知っているみたいなので挨拶だけで、

それで、早速相談があるのですが、

この近くに村はありますか?」

シーナはこくりと頷きエプロンのポケットから

地図を取り出した

「こちらをお持ちください

私もあるので気にせずどうぞ

現在位置は青い矢印で家が緑の矢印です」

どうやら、魔法がかかっていて

動くたびに矢印がその場所を

示してくれるらしい

便利です。

「ありがとうございます」

シーナはそれから地図の見方を

懇切丁寧にわかりやすく教えてくれて

この世界の必要最低限のことも教えてくれた

「という感じで、この世界の仕組みについては以上になります

それと、もっと気軽に接してくれていいのですよ?トウマさん

私はあなたのお世話係なのですから」

そうはいっても、初めてなので慣れない

それに、こうみるとかなり可愛い…

やばい。直視できない

腰まである金色の髪

美しい緑の瞳にうっすら桜色の唇

白のワンピースを着ていて

なおまぶしい…やばい萌えじぬ

「わかった、よろしく頼むよシーナ」

「はい!」


この家は森の中心にあって

下から見れば周りは森でこの場所だけ

ぽっこり草原になっている

しかし上からみるとその草原は

森で覆われているようにみえる

どうやらそういう結界が張ってあるらしい

そこから西へ森を抜けると

直径1キロくらいの村が見えてくる

「あそこか…」

「はい、ローレルという村です

食料、衣服、武具など買いそろえられます

村には貴族がいて熊を狩って持って行くと

お金をくれるらしいです」

「熊か…」

と呟くと同時にのそっと茂みから5mはありそうな熊がでてくる

しかも角まで付いている

「化け物じゃねぇか…」

でも腕試しには十分そうだと思って

素手で挑みにかかる

熊が僕を敵と認識し猛スピードで突進してくる

そのスピードを利用して熊の眉間に思いっきり拳をぶつけると同時に体を左にひねって

熊の右の脇腹に蹴りをいれる

どうやらそれだけで熊は動けなくなり絶命する

折れた骨が内蔵に刺さり致命傷になったようだ

「ふぅ、倒せるもんだな」

その後倒した熊を引きずって街まで運ぶことになった

街に着くと門番の兵士がぎょっとした目で

出迎えてくれた

パスポートを作って自由に街に出入りできるようにしてもらい

熊を貴族に売ってお金をもらう

どうやら今回狩った熊は相当な猛者で

通常の5倍以上のお金をもらった

そのお金で食べ物を買って

武器も一応買っておいた

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旅人と魔女 スライム倒して300年のElaina @glamourblackie

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