分岐点物語(ちょっと参加してみたよ)

蜂蜜 最中

第二話D

分岐点 第1話 ― いざ始まりの分岐へ ― を先に読まれる事を強く推奨します。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054882208485←こちらのリンクはぴ〜とるいじ様の小説に繋がっています。



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 いや待て、単に帰り道を変えた所で俺の人生が変わるわけがねえ。ここで重要なのは!!

 よって俺は食い気味にその辺で歩いている可愛い女の子に声をかける選択をするぜ!! 例えば……そう、背中からクールビューティ感が漂うあの子とか!!

 なんと声をかけようか?



 ――Heyカノジョ!! 俺とお茶しない!?



 ……無いな。無い無い。流石にこれは寒いわー。



 ――お嬢さん、ハンカチ落としましたよ?



 そもそも落としてねえってんだアホか。



 ――君カワウィーネッ!!



 一体どこの芸人だってんだよ。チャラ過ぎてキャラに合わねえ。まだ武勇伝の方が合ってそうだ。



 ――そなたは美しい!



 はりつめたー弓のー――って何歌わせようとしてんだコラ!! おかしい。今日は全体的におかしい。具体的に言うと、この世界を睥睨している神が違う気がするぜ。

 あ、でもものの〇姫は好きなのはガチ。いいよねものの〇姫。年下の可愛い許嫁、綺麗な御前、犬属性持ちのお姫様。堪らんよね!! その全てから言い寄られてるアシタ〇にはマジ殺意湧くわー。


 まあいいけどな。アシタ〇つえーし、次期王様だったし超イケメンだし。あれ、なんだこれ? 最近流行りの最強主人公かよクソッタレめ。やっぱ嫌いだものの〇姫!!!!



「――何やってんの、お前?」

「バルス!!!!」

「うわあっ!?」



 拳を振り抜く振りをしながら振り向くとそこには情けなくも尻餅をつく竹馬の友“橙乃澄晴とうのすばる”の姿があった。



「何すんだよ……」

「すまない、ちょっと俺のジ〇リ愛が迸っちまった」

「えっと……ばるす? らんらんらららんらんらん?」

「てめえは俺を怒らせた」

「えええええええ!?」

「それはナ〇シカなんだよぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

「出てきちゃダメえ!!」



 俺の拳を抑える澄晴。この野郎、まさかわかってて……!!



「なあ」

「なんだよ」

「お前、俺の名前がだからジ〇リネタに走ったんじゃないだろうな?」

「……三十六計逃げるに如かず!!」

「あってめぇっ!!」



 俺は一目散に澄晴から逃れた。何? 女の子はどうしたって? ハハっ、もう頭になかったよね!!


 澄晴を撒くのにたっぷり一時間程かけた。……あいつしつけえ、俺のこと好き過ぎるだろ。

 空を見上げれば、日は沈みかけていて、くうと腹の虫が餌を寄越せと唸りをあげる。帰るとするか。


 結局俺の日常は変わりそうになかった。


 受動的なままで動く運命はない。声をかけることができなかった時点で俺は閉塞した運命を切り開くことができなかったのだ。その資格すら手に入れることができなかったのだ。


 やがて淡い光が見えてきた。見慣れた優しい光。ああ、愛おしき我が家。運命は変わってほしいと切望しているがこの光景だけは変わって欲しくないと、祈らずにはいられない。



 玄関を開けると見慣れぬ小さなローファーが礼儀正しく並んでおり、この時間帯に家にいるのが珍しい、親父殿が慌ただしく廊下行ったり来たりしている様が見えた。


「ただいま。そんな忙しなく何やってんの?」

「―― おっ、帰って来たな。 喜べ息子よ、今日から家族が増えるぞやったな☆」



 訂正。運命変わってました。






 第3話に続く。※今回は選択肢は無しとします。(これはぴ〜とるいじ様原作、分岐点物語に寄稿したものです。以降は本編に戻ります)

 直リンク ↓(こちらのリンクはぴ〜とるいじ様の小説に繋がっています)

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