どんな環境にも耐え、害虫も受け付けず、そして花も美しい――淡い桃色で彩られたその植物は、あっという間に世界中に広まっていきました。ですが、ある日…。
後書きにも記してありましたが、規模は違えどまさに現実でもこれと同じような問題が起きていると聞いた事があります。美しい、綺麗、と持て囃される裏で、その美しさを後世に伝えるための研究が行われ続けている、とも。
「サクラ」だけでも植物だけでもない、あらゆる美しいものはやがて終わりを迎えてしまうもの。でも、もしその事がどこかで忘れられてしまったら…?
今の季節と合致した問題提起と風刺に溢れた作品です。