作品に応援いただいたご縁でこの物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。
情報技術と魔法を融合させた、見事な戦記ミステリー。作者様の深い知識に基づいた世界観と設定が見事に反映されている、素晴らしい作品でした。私自身が情報技術に少し触れている部分もあったためか、世界観や設定、そして魔法への応用する様子などを興味深く、そして楽しんで読むことができました。
惜しむらくは、情報技術に触れていない方だと少しイメージし辛いかもしれないところでしょうか。途中途中で補足説明もありますので、是非内容を理解して、作者様の世界に踏み込んでいただきたいです。
そして、その中でも起きる人間模様。強大な敵に対する人間側も一枚岩ではなく、それぞれのキャラクターらがそれぞれの思いを胸に動く。探究心や嫉妬、心配といった非常に人間らしい感情から起こる展開が物語を二転三転させ、今後どうなるんだという期待をもたせてくれます。それらを乗り越えていき、伏線を回収しながらの最終決戦は必見。読んでいるあなたの胸を熱くさせてくれること、間違いなしです。
その後の展開、そして後日談でも、また一つ驚かされます。続きは是非本編で。
綿密な設定を元に構成された見事な世界で繰り広げられる、戦記とミステリーのあわせ技。
他の皆さまも是非読んでみてください。
小説を書いていると自分の作品の個性はどこにあるのか? 僕の文章の個性はどこから来るのか? と考えたりします。
うーむ、明確な個性! これが欲しいですよね? 誰にもない、唯一無二。
だけど、個性を主張しすぎて、読みづらかったり、伝わらなかったり、そもそも読まれないでは意味がない。
本当に悩ましいです。
くら智一さんの『WIZARDWARE魔法戦記「ソフトウェア魔法VS.影の王」』は自分が知っている技術を物語に落とし込んで、個性を獲得している。
これ、すごいですよ。
他の作品との差別化に悩んでいる方は一読の価値あり。
個性獲得の一つの形だと思います(●´ω`●)