腐敗する概念

「おい」

「なんだ」

「お前、腐ってるぜ」

「何言ってやがる」

「お前の体が腐敗してるってんだよ」

「あんたに何がわかるんだ」

「儂は医者だった。人が腐る様子は何度も見たさ。お前もそうだ」

「残念だが腐ってるのはあんたの目らしいな」

「バカ言え......」

「......おい、俺はあんたを見たことあるぞ」

「なに?」

「塹壕だ、あんたをそこで見た。覚えてないか?」

「脳まで腐ったか?儂はそんな覚えはない」

「いや、よく覚えている。同じ隊だったよな?なあ?」

「もういい、終わりにしてやる」

老人は拳銃を取り出し2発撃ちこんだ。

やはり慣れてるじゃないか。

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