好奇心旺盛な超一流鍛冶屋アンちゃんの(平和な)冒険物語

戦も無くなり、平和になったことでドワーフの鍛冶屋は武具を打つ仕事もなくなってきた時代。
主人公は確かな技術を持つマリウス工房の跡取り娘アンヴィル。
彼女がいつものように鍛冶仕事をしていると訪ねてきたのは不思議な注文を依頼したと語る男性。
彼との出会いにより、物語が動き始めます。

とはいえ、この物語に血生臭い戦いはありません。
長閑な旅に訪れる先でエールを手に鍛冶について語り合う。
こういう冒険もあるのです、あっていいのです。

内容もしっかりと練り込まれた設定なのにほのぼのとした雰囲気でとても読み進めやすいと思います。
ドワーフという種族の設定もファンタジーの定番というべきお酒に弱い、力が強い、鍛冶の腕がいい、が盛り込まれているのにこの作品に出てくるドワーフはおじさんでもおじいさんでも皆、愛らしい存在に見えてきます。

その他のおすすめレビュー

黒幸さんの他のおすすめレビュー610